｢六甲颪｣に"Wings of Freedom."

2007.02.28 Wednesday

歴史の水面に石を投げれば・・

最近ガラにもなく｢教育評論家｣している。｢専門家でもないのにえらそうなことば～っかり書きやがって、お前はヤンキー先生か!?｣と自分に突っ込みを入れている今日この頃(苦笑)・・。ただ、素人の僕でさえおかしいと思う最近の日本の教育、専門家はどう思っているのか、機会があれば是非とも意見を聞いてみたい。そんなこと考えていたら、思い出したことがあった。
　いわゆる｢歴史教科書問題｣というものだ。日本史の教科書を巡って、中国や韓国から猛反発を喰らったアレである。そこで出てくるのが、｢新しい教科書を作る会｣という団体が作った教科書。日本に都合のいいことしか書かれていないというものだ。そこで、｢新しい教科書を作る会｣のＨＰを見てみると、こんな主張が書いてあったので、ちょっと紹介してみよう。

世界のどの国民も、それぞれ固有の歴史を持っているように、
日本にもみずからの固有の歴史があります。
私たちの父母、そして祖先の、こうしたたゆまぬ努力の上に、
世界で最も安全で豊かな今日の日本があるのです。
ところが戦後の歴史教育は、
日本人が受けつぐべき文化と伝統を忘れ、
日本人の誇りを失わせるものでした。
特に近現代史において、
日本人は子々孫々まで謝罪し続けることを運命づけられた
罪人の如くにあつかわれています。
冷戦終結後は、この自虐的傾向がさらに強まり、
現行の歴史教科書は
旧敵国のプロパガンダをそのまま事実として記述するまでになっています。
世界にこのような歴史教育を行っている国はありません。
私たちのつくる教科書は、
世界史的視野の中で、日本国と日本人の自画像を、
品格とバランスをもって活写します。(抜粋)

これを読んで、寒気がした。｢臭いものにフタ｣では極端な話、｢大本営発表｣とどう違うのだろうか?
　前に筑紫哲也氏が｢NEWS23｣でこの話題に触れたとき、｢『日本人はずっと謝り続けなければならないのか？』と聞く人がいますが、そうです、ずっと謝り続けなければならないのです、それだけのことをしたのですから・・。｣と言っていたのを思い出した。それを全面的に支持する気はないが、｢それだけのことをした｣のは紛れもない事実だろう。それを教えずに都合のいいことしか教えないというのは、明らかに｢情報操作｣だと思った。
　結局、｢作る会｣の教科書はほとんど採用されず、ほっとしたのを覚えている。「まだ日本人にも品格はあったのだ。｣と思った。
先日、やはり｢NEWS23｣で、中国の高校生が日本に短期留学に来て、広島で被爆者の体験談を聞いた際、その被爆者が最後に、｢日本人があなた方の国でひどいことをしたということを知ったのは戦争が終わってからなのです・・。｣と、申し訳なさそうに告白していた。それを見て、知らないことは罪なのだと改めて感じた。
何が書きたいのかというと、歴史というものはひとつしかないということで、ありのままを僕達は知るべきだし、知らなければならないと思う。都合のいいように｢改ざん｣された｢歴史｣は｢歴史｣ではないのだ。しかし、僕の知る限り、歴史の出来事の当事者間での｢客観的な歴史｣は、残念ながら存在しない。たとえば、従軍慰安婦についての記述は、日本の教科書には数行しかないのだが、韓国や中国のそれは十数ページに及ぶという・・。
　以前に日中韓の３カ国で歴史を共有しようという取り組みが行われたが、こういうことは非常に意義があると思うので、是非とも積極的に進めてもらいたいと思う。
　話を戻すと、いい事も悪い事もひっくるめてそれが歴史なのだから、それをすべて学んだ上で、それらの自分の中で｢咀嚼｣し、理解することが大事だと思う。辛い歴史を知ったからといって、｢日本人の誇りを失わせる｣なんて、それこそ日本人を馬鹿にしていると思う。そんなこと大きなお世話だ!こんなことを考えている｢お偉方｣に、｢日本人をなめるな!｣といいたい。これについて、中韓のメディアでは、｢作る会｣の教科書や考え方があたかも日本人の大部分の考えであるかのように報道されていたのは非常に残念で、悔しかった・・。こういうところで日本人がイニシアチブを握るためには、もっと尊敬されるようでなければならないし、そのためには我々も｢雑音｣に惑わされずに、｢歴史｣というものと真剣に向かい合わなければならないと思う。そうすることによって、｢品格とバランス｣というものが身についてくるのではないかと思う。そういう意味では、学校では｢戦国時代｣よりも｢近代史｣に比重を置いて学習したほうがいいとは個人的にはずっと思っている。
　自国の歴史を知らないことほど情けなく、罪深いことはないと思う。｢ゆとり教育｣がどう見直されるかは知らないが、受験に関係あるなしではなく、｢日本人として｣学ばなければならないことはたくさんあるということに早く気づくべきだろう・・、とか偉そうなことを書いている僕も実は歴史はあまり詳しくない(涙)・・。これから勉強しなくちゃね。

2007.02.27 Tuesday

「ゆとり」って誰のため!?

24日付の記事で「ゆとり教育」について書いた。正直軽い気持ちで書いていたのだが、結構反響があったので驚いている。「野球と関係ない、硬めな文章なのに結構読んでくれてるんだな・・。」と、素直に嬉しかった。まさに書き手冥利に尽きる。ただ、その記事に対して頂いたコメントの中で、心に突き刺さったものがあるので紹介したい。

｢はじめまして。私は今まさに「ゆとり教育」の真っ只中にいて、来年に大学受験をひかえています。高校一年生の頃には先生方が『この内容は中学で習ったものなんだがなぁ…』とよくおしゃっていました。『学力低下』だ『ゆとり教育見直し』だと言われている中で、私達の抜け落ちてしまった時間はどうすればいいのか、ニュースなどでこの話題が取り上げられるたびに思います。
これから見直すのはいいことだが、ある意味失敗作である私達はどうすればいいのか、と不安に思うこともあります。
この先社会の目に私達がどう映るのか考えると、気が重いです…。｣

これを読んで、しばらく言葉がなかった・・。｢まさかこんな反応があるとは・・。｣まさに予想外だった。このコメントを読んでしばらく考えた。先の記事は、僕達｢おじさん世代｣からみた｢ゆとり世代」についてのものだった。あの記事では最後に、
｢ゆとり教育｣世代がもうすぐ社会に出てくる。そして彼らが社会の中心的存在になった時、良くも悪くも｢ゆとり教育｣の｢本当の成果｣が出る。その時日本はどうなってしまうのかを考えると、正直怖いな・・。　
と、結んだ。｢怖い｣と思ったのは偽らざる僕の本音だ。しかし、このコメントを読んで、本当に｢怖い｣と思っているのは、何を隠そう、｢ゆとり世代｣の今を生きている子供達なんだと思い知らされた・・。正直そこまでは考えてなかった。今となっては、｢ゆとり世代｣の子供達に対して失礼なことを書いてしまったと反省している・・。ただ、それと同時に安堵もした。だって彼らは自分自身のことをよくわかっているからだ。こういう人たちは多かれ少なかれ、｢私たちはこれでいいのだろうか?｣という｢危機感｣を持っているということだ。そういう人たちは恐らく社会に出てもなんら問題ないと思う。そういう気持ちを持っている限り、彼らを理解やサポートをしてくれる｢すばらしい大人たち｣が必ず現れるとおもう。もちろん、自分に足りないものを自覚した上で、｢自分を磨く努力｣を忘れないという前提の下であるが・・。
ただ、問題なのはそういう｢危機感｣を持っていない子供達である。そういう子たちが社会に出てきたら、やっぱり｢怖い｣と思う。
　今回、この記事を書く際に、｢ゆとり教育｣について調べてみた。そこで驚いたことが・・。実は｢ゆとり教育｣と呼ばれるものは30年前から始まっていたということだった。この教育の象徴とされる｢週５日制｣こそ平成に入ってから実施されたものだが、学習指導要領の改正自体は昭和５２年から段階的に行われていたのだ(実施は５５年度から)。てことは、一応僕も｢ゆとり世代｣ということになる!?なあんだ、偉そうなこと書けないや(苦笑)・・。
　それはさておき、本格的に｢ゆとり教育｣が施行されたのは平成４年からなのだ。小学１．２年の｢理科｣｢社会｣が廃止されたというのも驚きだ!そして、この教育の｢目玉｣になっているのが｢総合学習｣である、と書いてもよくわからない・・。調べてみると、｢児童、生徒が自発的に横断的・総合的な課題学習を行う時間｣だそうだ。そういえば、土曜日に学校で工作とかしているのを見たことがあるのだが、あれがそうなのだろうか？誰かこれをご覧の専門家の方がいらっしゃったら意見を仰ぎたい。
　確かに僕ら｢詰め込み世代｣では、今考えると、実社会では役に立たないことに時間を割いていたという記憶がある。僕がこの話題になると思いうかべる｢無駄なもの｣とは、ずばり｢英語｣だ！と、ちょっと待った!早とちりしないで欲しい。僕がここで糾弾したいのは、英語は英語でも｢受験英語｣といわれるものだ。｢語学｣とは本来、｢生きた言葉｣を学ぶものだと思うのだが、この｢受験英語｣では、｢生きた言葉｣を学ぶ機会はほとんどない。まず｢文法｣ありき、｢イディオム｣ありき、｢文型｣ありきの｢語学｣では、何年やったって話せるようになるわけがないし、好きになるわけもないのだ。確かに｢文法｣など、不要だというつもりはないが、学習方法が間違っていると思う。僕らが日本語を覚えたときのことを考えれば、｢受験英語｣ほど無駄なものはないというのは言わずもがなだろう。それ以前に、そういうものが幅を利かせる日本の教育制度が間違っているのだろうなと思う。
　それで思ったことは、確かにこの世代は｢失敗作｣と呼ばれるかもしれない。｢馬鹿な大人たち｣に踊らされた｢被害者｣かもしれない。ただ、それはあくまでも｢世代｣であって、｢個人｣が｢失敗作｣や｢被害者｣で終わるか、それとも｢立派な社会人｣｢立派な大人｣になるかはこれからのその人の生き方次第だと思う。東大卒でも社会では使えないと後ろ指を差される｢頭でっかち｣もたくさんいれば、中卒、高卒でも、仕事ができて、尊敬される人もまたたくさんいる。一度社会に出てしまえば、学歴なんて関係ないのだ。その人自身が自分を磨くことを忘れなければ、何も心配することはないと思う。確かにはじめのうちは｢ゆとり世代｣ということで風当たりは強いかもしれないが、周りの人はその人が努力していれば、その姿を見ているはず。そして必ず理解者が現れるはずだから、前向きにがんばって欲しいと思う。考えようによっては、そこでがんばれば、｢普通の世代｣の人間より目立つのではないだろうか。｢ピンチは最大のチャンス｣と思ってがんばって欲しいと思う。それにしても、こうしてみんなを不幸にする｢ゆとり教育｣ってなんなのだろう？これで｢幸せ｣になった人っているのだろうか?そもそも、何のための｢ゆとり｣なのか?もし機会があれば、この制度の導入を決めた｢大人たち｣に是非話を聞いてみたい(怒)。

2007.02.26 Monday

独立系・・

昨日、フジテレビで｢あるある｣の穴埋めに｢スウィングガールズ｣を放送していた。初めて見たのだが、とても面白かった。内容は詳しく書かないが、まさに｢青春コメディー｣の王道を行く映画だった。｢そんなうまくいくかよ?｣という場面が多少あったが、それはご愛嬌(笑)・・。
　そういえば、先日発表された｢日本アカデミー賞｣が発表され、あらゆる賞を総なめにしたのが、｢フラガール｣だった。この映画も見たのだが、よかった。本当によかった。何年かぶりで映画を見て泣いた・・。強敵だった｢嫌われ松子｣や｢武士の一分｣を跳ね除けた、今回の｢フラガール旋風｣は、内容からすれば当然の結果だろう。
　ところで、ここで紹介した２作品には共通点がある。それは、この２本の映画の製作会社である。｢スウィングガールズ｣を製作したのは｢アルタミラピクチャーズ｣という会社で、｢フラガール｣は｢シネカノン｣という会社だ。｢アルタミラ」のほかの作品といえば、｢ウォーターボーイズ｣や、今公開中の｢それでも僕はやってない｣があり、｢シネカノン｣のそれは、｢パッチギ｣や｢魂萌え｣など、いずれも独特な作品が多い。これらの会社は、｢独立系映画会社｣といい、東宝や東映といった大手映画会社とは一線を画す。最近、｢独立系｣の作品が注目されている。去年の映画の興行収入で、何十年かぶりに邦画が外国映画を上回った。｢独立系｣の快進撃もそれに一役買っているのだろう。ちなみに｢独立系｣がアカデミー最優秀作品賞を獲ったのは、１９８０年の｢ＡＴＧ｣の｢ツィゴイネルワイゼン｣以来なのだというから、これを快挙と言わずしてなんと言おうか?
　この多様化の時代、大手が目の届かないようなところに｢独立系｣が着目するといったところか。それが見事に成功しているといっていいだろう。シネコンが増え、公開作品もどんどん増えていく近年、｢独立系｣の元気のよさが目立つのはいいのだが、大手ももっとがんばらなくては、映画業界の本当の意味での｢復活｣とは言えないのではないかと思う。アメリカや韓国映画に負けている場合ではない。逆に外国から日本映画が一目置かれるように、早くなってもらいたいと思う。そうすれば、そのうち本場のアカデミー賞で、｢ジャパン・タイフーン｣を巻き起こせるのではないかと思う。

2007.02.25 Sunday

ミドルシュート

昨日からプロ野球もオープン戦が始まり、阪神はオリックスに破れた。しかし、今は結果を問う時期でもないし、能見もまずまずだったのでよかったのでないかなあ・・。確かにその後の杉山がぱっとしなかったのと、安藤、福原の離脱は気にはなるが、まだ開幕まで１ヶ月以上あるから、彼らはそこには間に合わせてくると思うし、間に合わせるだろう、だってプロなんだから・・。
　以前に書いたプロコレのユニフォームの発売が遅れているのは、どうやらあまりにも不評だった背番号の字体を急遽変えることになったらしい。そうだよなあ・・。あの字体はいただけない、特に｢６｣と｢９｣は。あれだったら元の字体に戻したほうがいい、個人的には出来れば選手名も・・。
さて、プロ野球より一足早く、来週Ｊリーグが開幕する。わが横浜ＦＣは去年の王者、浦和レッズと対戦する。選手には全力でぶつかってもらいたい。｢格下｣のチームが｢大物食い｣をやってくれるのではないかと期待している。昨日そのレッズがガンバ大阪と｢ゼロックススーパーカップ｣を戦った。結果はガンバが４－０で圧勝した。それを見ていて思ったことは、｢開幕戦、何とかなるかもなあ・・。｣だった。闘莉王がいなかったせいか、ディフェンスが統率取れてなかったし、攻撃もワシントンが孤立していたし、見ていて怖さを感じなかった。まあ、ガンバがよく研究していたといってしまえばそれまでなのだが・・。ただ、開幕戦での浦和攻略への大きなヒントになったと思う。昨日のガンバを見ていて印象に残ったのは、マグノ・アウベスのハットトリックよりも、二川のミドルシュートだ。まさにビューティフルゴールだった。それを見ていて思ったのは、当たり前なのだが、｢サッカーはシュートを打たなければ始まらない。｣ということだ。Ｊリーグや代表の試合を見ていて思うのだが、日本人選手はどうもミドルシュートを打ちたがらないような気がする。確かにゴールから離れれば離れるほどゴールが決まる確率は少なくなる。ただ、シュートを打つ限り、その確率はゼロではないのだ。もしかしてディフェンダーに当ってはいるかもしれない・・。｢下手な鉄砲数打ちゃ当たる｣という言葉もあるが、シュートは打たない限り、得点できる可能性はゼロなのだ・・。
　｢ミドルシュート｣で、忘れられない試合がある。それは１９９７年９月２８日、国立競技場で行われたＷ杯フランス大会アジア地区最終予選｢日本対韓国｣だ。この試合で決まった３つのゴールのうち、２つは一生忘れることはないだろう・・。ひとつは山口の先制点となったループシュート!ゴール前での落ち着き払ったループは、｢さすが山口｣と、唸らせるものだった、いや、あの時は唸るどころじゃなくて、｢打て、打て!やった～～!!｣って絶叫してたよなあ(笑)。そしてもうひとつ・・、その後韓国のソ・ジョンウォンのヘッドで追いつかれ、ドローかなと思った瞬間に決められたイ・ミンソンの強烈なミドルだった・・。こう書くと、ラッキーゴールのようだが、実は違う。あの試合韓国は遠めからでもどんどんシュートを打っていった。最初はどうって事ないと思っていたのだが、日本の守備陣はミドルを警戒して、引き気味になっていった。そして徐々にペースを握られ始め、日本が先制した後に明らかに｢守りに入った｣こともあり、韓国のシュート攻勢は激しさを増し、そしてついに・・。
　あの試合を見て思ったことは、日本はまだ｢守りきる｣事などできるチームではなかったということだった。逃げ切るなんて事はサッカー強国のすることであって、日本はまだまだそんなレベルに達していないということを痛感させられた。そのために払った代償はあまりにも大きかった・・。その後らくらく本大会出場を決めた韓国と、最後まで苦しみぬいた日本の｢分岐点｣はまさにあの試合だったと思う。この試合の日付やゴールを決めた韓国の選手名まで覚えているのは、あまりにも悔しかったからである、正直今でも悔しい・・。
　その頃に比べると、日本人も遠くからシュートをガンガン打つようになった。それはそれでいいのだが、今後の課題は｢精度｣だろう。去年のドイツＷ杯での日本の放ったシュートからゴールになった｢決定率｣は下から何番目かというひどいものだった。あの大会、ただでさえシュート自体が少なかったのに・・。こないだのＵ-22の日本対アメリカでもそうだったけどね・・。決定力＝精度なのだと思う。シュートは打つようになった、あとは精度だ。二川のシュートを見て、そんなことを考えた・・。これからプロ野球開幕までの１ヶ月は｢横浜ＦＣサポーター｣としての活動が増えるから、しばらくはサッカーについての記事が増えると思う。もし、それを読んでサッカーを知らない人が、少しでもサッカーに興味を持ってくれれば嬉しいのだが・・。

2007.02.24 Saturday

「ゆとり」って・・!?

最近、学校の｢ゆとり教育｣というものが見直されつつある。その話を聞いて最初に思ったことは、｢やっぱりな・・。｣である。僕の年代は｢詰め込み教育｣の真っ只中で、月～土曜までまともに授業があった。とにかく授業、授業、授業・・。そんな僕が｢ゆとり教育｣が実施されるということを聞いたときに、｢アレだけ詰め込まれても今でも覚えてることなんてそんなにないのに、教えられること自体が減ったら、学力は間違いなく低下するよなあ・・。｣と思ったが、結果はその通りだった・・。長い人生では、純粋に勉強できる時間なんてそんなにはないのだ。だから誤解を恐れずに書けば、僕は｢詰め込み教育大歓迎!!｣なのである。第一、この制度は大きなお世話だと思っていた。だって、｢ゆとり｣なんてものは他人から与えられるものではなく、自分で作るものだからだ。それに、｢ゆとり教育｣で休みになった土曜日は学習塾が大盛況だったとか・・。何をかいわんやだ・・。
この記事を書いていて、ふと思い出した歌があった。それがこれ。

「勉強の歌」by 森高千里　　　

テストさえ無かったなら　学校は楽しいとこ　
勉強はきらいだった　私
毎日授業中には　窓の外眺めていた　
夢ばかりみていたのよ　私

でも英語だけでも　まじめにしておけば　
今頃私は　かっこいい国際人
勉強はしないよりも　しておいたほうがいいわ
一つでも得意なもの　あるはず
勉強は出来るうちに　しておいたほうがいいわ
後になって気付いたって　遅いわ

遊んでばかりいたのよ　それはそれで楽しかった
真っ黒に日焼けしていた　私
でも歴史だけでも　まじめにしておけば
今頃私は　ちょっとした文化人
勉強はしないよりも　しておいたほうがいいわ
一つでも得意なもの　あるはず
勉強は出来るうちに　しておいたほうがいいわ
後になって　気付いたって　遅いわ

しゃくだけど勉強には　にんじんと同じくらい
栄養があるみたいよ　食べなきゃ
勉強は出来るうちに　しておいたほうがいいわ
後になって　気付いたって　遅いわ　　　　　　　

本当に後になって気づいても遅いよなあ・・と、つくづく思う今日この頃・・。この歌は結構身につまされた・・。
　それはとにかく、僕ははじめからこの｢ゆとり教育｣には懐疑的だった。ただ単に先生が週休２日制を望んでいるだけだと思っていた。｢ゆとり｣が欲しいのは生徒じゃなくてむしろ先生で、生徒はその｢ダシ｣に使われたんじゃないかなと・・。少し極端かな(苦笑)。
　大人は子供の将来に責任を持つべきであり、学校教育もその一環だろう。｢ゆとり教育｣なんて聞こえはいいが、ある意味子供に対する｢懐柔策｣である一方で、｢責任放棄｣だとも思う。子供はそういうものに敏感に反応する。だから今の大人は子供に馬鹿にされるのだと思う。多少子供から嫌われようが、それが子供のためになるならば、しっかりと教えるというのが大人の役目だと思う。もっとも、自分も含め、今の子供達とちゃんと向き合える｢立派な大人｣がいないことが一番の問題なのだが、それはまた別の機会に書きたいと思う。
　｢ゆとり教育｣世代がもうすぐ社会に出てくる。そして彼らが社会の中心的存在になった時、良くも悪くも｢ゆとり教育｣の｢本当の成果｣が出る。その時日本はどうなってしまうのかを考えると、正直怖いな・・。

2007.02.22 Thursday

｢聖地｣

いよいよ今シーズンの甲子園での公式戦チケットが発売される。一部先行発売されているが、やはり一番人気はライト外野指定だろう。発売開始と同時に全日程が埋まってしまう。毎年の事ながらコレは凄いと思う。残念なことにチケットゲッターも多数含まれているのだろうが、やはり甲子園のライトスタンドは｢聖地｣なのだと改めて思い知らされる。正直言って、背もたれもない、席の幅が狭い、席と席の間の間隔もなく、通路と通路が５０席以上離れている・・。観戦環境といったら間違いなく１２球場中｢最悪｣だろう・・。しかし、そんなところでもタイガースファンはみんな甲子園に憧れ、さらにライトスタンドに憧れる・・。なぜか?色々考えたが行き着く答えはひとつだった。｢それが甲子園だから・・。｣同じホームゲームでも、京セラドームのほうが環境ははるかにいいだろう。それでもやはり甲子園にはかなわない。なぜか？｢それが甲子園だから・・。｣古さや不便さ、そんなもののすべてを超越する存在・・それが甲子園球場なのだ。タイガースは素晴らしい球場を本拠地にしていると改めて思う。まさに｢日本野球の象徴｣なのだから・・。
　その甲子園球場が今オフから本格的にリニューアル工事に入る。既に蔦が無くなり寂しい限りだが、｢新生甲子園｣を夢見て我慢しよう。どんな｢野球の殿堂｣に生まれ変わるのか楽しみだ。それにしても、東京ドームみたいに建て替えたほうが話が早いのではないかと思うし、そんな話は出なかったのだろうか・・？出るわけがない！なぜかって？
｢それが甲子園だから・・。｣

| fulietigers | タイガース | 21:41 | - | - |

2007.02.21 Wednesday

らーめん in OKINAWA

沖縄から帰ってきて、東京の寒さにようやく慣れてきた・・と、書きたいところだが、今年の冬はあまり辛くない。外で仕事をしていても、息が白くなることがほとんどない。暖かいのは嬉しいが、おかげであまり飲料が売れない・・。暖かければ飲み物が売れると考えがちだが、実際は寒いほうがホット飲料が売れるのだ。飲料業界にとって辛いのは、｢過ごしやすい時期｣が続くことだ。皆さんの身になって考えてみて欲しい。ポカポカ陽気のときに冷たいものや暖かいものが飲みたいだろうか?まさに｢水物｣なのである(苦笑)。仕事はしやすいだけに、痛し痒しである。考えてみると、飲料業界というものは｢因果な商売｣だ。夏や冬の｢働きたくない季節｣が忙しいのだから・・。
　さて、グチはコレくらいにして、今回沖縄でおどろいたことを書きたいと思う。プロフィールにあるとおり、僕はラーメンマニアだ。日本全国、その土地で有名なラーメンは必ず食べに行く、ただ1ヶ所を除いては・・。そこが沖縄なのである。沖縄には皆さんご存知のように｢沖縄そば｣がある。よく皆さんのなかには沖縄といえば｢ソーキそば｣という人がかなりおられるが、細かいことを書くようだが、｢ソーキそば｣はあくまでも｢沖縄そば｣の一種であり、例えれば｢チャーシューメン｣を｢ラーメン｣というのと同じなのだ。話を戻して、沖縄に行きだした頃は、さんざん沖縄そば屋を巡った。本島、離島問わず１日３～５食ぐらいは食べていた。ただ、ある程度沖縄そばに飽きると食べたいものがあった。それがラーメンだ。ということでラーメン屋に行ってみる。ところが、どこに行ってもまずい!不味い!マズイのだ！その当時、ウチナンチュウにラーメンは馴染みの薄いものだったようだ。｢ラーメンなんかよりすば(ウチナンチュウは沖縄そばをこう言う。)の方がま～さんど！(美味しいよ)｣といったところか。まさに｢沖縄そば｣はウチナンチュウの｢ソウルフード｣なのだ。それ以来、僕は沖縄でラーメン屋を探すのをやめた。どうせ探しても美味しい店なんて無いのだから・・。どうしても食べたいときはカップラーメンを食べていた。まさに｢ラーメン不毛地帯｣・・。
　ところが、近年沖縄でも遅ればせながら｢ラーメン文化｣が芽吹いてきている。本土の有名なラーメン屋が続々出店して来ているのだ。それに刺激されてか、地元の人が｢沖縄ラーメン｣という看板を掲げて、こちらも続々開店している。地元のタウン誌で｢ラーメン特集｣を組んでいたのを見て心底びっくりした!思わずそれを買って、キャンプ地めぐりの合間に３件はしごしてしまった・・。どこも美味しかった。まさに｢隔世の感｣だった。｢今度来た時はラーメン屋巡りをしよう!｣と、心に決めて帰ってきた。ようやく僕の中の｢日本ラーメン地図｣で空白だった場所が埋まり、｢完成｣しつつある。皆さんも｢すば｣と｢ラーメン｣を味わいに沖縄へ行ってみてはいかがだろうか？いっペー上等どー！(凄くいいよ!)

2007.02.20 Tuesday

さあ、帰ろうねえ。

いいことなかった宮古島に別れを告げ、本島にやってきた。天気は雨こそ降ってないものの、どんよりくもり空・・。重い気持ちを引きずったまま、レンタカーに乗り込む。今日こそはキャンプを見たいのだが、時計は二時をまわっていた。もしかしたら終わってるかも・・。しかし、今回は違う。浦添のヤクルト、宜野湾の横浜がダメでも、北谷には中日がいる。そんな勝算をもってキャンプ回りをスタート！とは意気込んで来たものの、浦添はルートの都合上断念。こうなったら横浜と中日に賭けるしかない。果たしてどうなるか・・。那覇から小一時間、宜野湾の横浜キャンプ地が見えてきた。車を降りて、あわててスケジュール表を見ると、やってる！今日は練習日だ！とりあえず休みじゃなかった。休みじゃなかったのだが、どこかで見た風景が・・。選手がいない、ファンもいない・・。どうやら練習は終わったらしい・・。まだ三時過ぎだぞ！去年最下位だったんだから、日が暮れるまで練習せんかい！僕は今季の台風の目は横浜だと思ってたのだが、こりゃ大したことないかな・・。こうなったら頼みの綱は中日だけだ。ここがダメなら今回の旅は無意味なものになってしまう・・。焦りながら北谷町に向かう。今、新名所になっている観覧車があるアメリカンビレッジのそばにある北谷球場に着いた。果たして・・。いた。ファンがいた。球場前にたくさんいる！まだ選手もいそうだ！急いで球場の中に入ると、全体練習は終わってたようだが、左右打席で特打をしているようだ。誰だろう？森野と荒木だ！若手ならまだわかるが、中堅のレギュラークラスが居残り特打とは・・。これだから中日は強いんだなあ。その二人を宇野、高代、そして新任の川相コーチが見つめていた。時刻は四時を過ぎていたが終わる気配がない。帰りの飛行機があるので、僕は途中で帰ることにした。ついでに入口に掲示してあったキャンプの予定表を見ると、この一ヵ月で休みがわずか三日！開いた口が塞がらなかった・・。そういえば去年、優勝インタビューで落合監督が、｢キャンプで選手に辛い思いをさせた。｣って言ってたっけ。それってこのことだったんだなあ・・。｢練習は裏切らない｣と言う言葉を思い出した。最後の最後でキャンプを見られたのはうれしかったが、中日の強さを再認識させられた分、気が重かった。タイガースもうかうかしてられないな。けど、今年はなんとか去年の借りを返さねば！高知で中日以上に猛練習してると信じよう、うん！信じることさ、必ず最後に虎は勝つってね！さあ、横浜に帰りましょうね。ここでまた沖縄方言(ウチナーグチ)講座。今書いた｢帰りましょうね｣というくだりは、標準語では、僕が誰かに一緒に帰ろうと誘う時に使うが、ウチナーグチでは意思表示するときに使う。つまり、この｢帰りましょうね｣は、｢帰りますよ｣と言う意味だ。英語で言えば標準語ではLet's～だが、ウチナーグチではI will～という意味だ。もし皆さんの周りにウチナンチュウがいて、その人が｢～しようね。｣と言ってたら、どちらの意味で言っているのか確認したほうがいいかも・・(笑)。

2007.02.18 Sunday

んみゃーちみゃーくへ

やってきました、宮古島に！昨日着いたのだが、何しろ暖かい！気温22度！それに沖縄独特の湿った空気・・。果たして今は何月なのか忘れてしまいそうな陽気だ。しかし、吹いてくる風は少し涼しい。僕は半袖なのだが、地元の人は寒そうにジャンバーを着ている。僕にとって沖縄は常夏の島だが、宮古島の人にとっては当たり前だが、今は冬なのだ。この人達が横浜来たらどうなるのだろうか、ちょっと心配・・。それはとにかく、今回の宮古島の旅で淋しいことが二つ、というか、これがこの時期宮古島に来る目的だっただけに、何のために来たのかわからない・・。ひとつは宮古テレビ。これは地元のケーブルテレビ局なのだが、地域に密着した番組が大好きで、このために宮古島に来てるといっても過言ではないのだが、今は旧正月のためか、常宿にしているホテルが満室で、しかたなく別のホテルにしたのだが、安宿だったせいか、ケーブルテレビを引いてなかったのだ！気がついても後の祭り・・。昨日はどこに行く気も、何もする気も起こらず、ホテルでふて寝していた。こ
れが昨日ブログを更新しなかった理由だ・・。ローカル番組フリークの僕にとっては大打撃だ・・。それに追い打ちをかけるように、今日は午前中は雨・・。午後になってようやく雨が上がり、オリックスのキャンプを見に市民球場に行ったのだが、何か様子がおかしい・・。ファンがいない・・。選手がいない・・。いるのはグラウンドゴルフを楽しんでいる老人達と、ひとりでリフティングをしているサッカー少年だけである・・。とりあえず球場まで行ったのだが、今日の紅白戦は中止との立て看板・・。しかもオリックスの宮古島キャンプは今日で終わり・・。もう笑うしかない・・(涙)。目的がなくなった今回の宮古島・・。こうなったら島を一周してやる！三角形のこの島を端から端まで疾走してやる！明日は本島に行くので、そこでいいことあればいいなあ・・。あ、そうそう！今日のブログのタイトルの意味は、ようこそ宮古へということである。沖縄というと、いらっしゃいという意味では、めんそーれという言葉が有名だが、これは本島の言葉で、同じ意味でも宮
古では、んみゃーち、八重山では、おーりとーりと言うのだ。雲が低くたれ込めて、風が肌寒くなってきた宮古島市民球場前から今日は締めよう・・。

2007.02.16 Friday

２人の"Ｋ"-その2-

さて、前回の続き。｢キングカズ｣に続くもう一人の"Ｋ"は、昨晩ＴＢＳで放送された｢バース・デイ｣で取り上げられていて、去年限りで現役引退し、今年から内野守備走塁コーチに就任した、中日ドラゴンズ・川相昌弘元選手である。川相コーチは４２歳。日本プロ野球が世界に誇る、いわずと知れた｢バントの達人｣である。川相コーチといえば、巨人で一度｢引退｣をほのめかし、原監督の下でコーチになるつもりだったのが、｢読売グループ内の人事異動｣(ナベツネ)により、原監督が｢解任｣されたことに納得せず、引退を撤回し、巨人を飛び出し中日に入団した。ぼくはその川相さんの｢男気｣に感動した。｢何とか巨人を見返してやれよ!｣アンチ巨人という僕の立場とは別の次元でそう思った。中日守備陣への｢川相効果｣は絶大だった。今や｢日本一の二遊間｣と賞賛される、荒木、井端両選手のコンビネーションを作り上げたのは川相コーチのアドバイスがあったといわれている。この２人だけでなく、中日守備陣が大幅にレベルアップしたのも、｢守備の人｣川相選手のおかげだといわれている。その結果として、去年の中日の失策数はセ・リーグで最少だった。中日の守備の堅さを物語るデータだ。川相選手が中日に加入した３年間で優勝を２回果たしている。一方巨人といえば、ご存知の通りである(笑)・・。そんな川相選手だったが、｢本当に｣引退することになり、どこかでコーチをするのかと思っていたが、｢原巨人｣ではなく、川相選手が選んだ先は｢オレ竜｣だった。巨人に戻る気は全くなかったという。いかにもこの人らしいと思った。自分を拾ってくれた球団に恩返しをしたいということらしい。これからは川相コーチに是非がんばって欲しい・・と、書きたいところだが、いいです、がんばらなくていいです。ていうか、熱心に教えたりしないで欲しい。だって、これ以上中日が手ごわいチームになったらイヤだよお!!
　話は変わるが、明日から２泊３日で沖縄に行って来る。面白い話があったらそれを書きたいと思うのでこうご期待!?

2007.02.16 Friday

２人の"Ｋ"-その1-

今日は、プロスポーツに生きる２人の男のドキュメンタリーを見た。
　まずひとつは、ＮＨＫのスポーツニュースで放送されていた、われらが｢キングカズ｣こと横浜ＦＣの三浦知良選手である。今年４０歳の、いわずと知れた｢日本サッカーの至宝｣である。先日行われたＪＦＬのロッソ熊本とのプレシーズンマッチで決勝ゴールを決めていた。どこまでもストイックなカズ選手の筋肉年齢は20代だそうである。これは金本選手に匹敵する。この体を維持するために、油ものはほとんど摂らないそうで、肉も鳥のささ身、揚げ物も好きなとんかつをごくたまに食べるだけなそうな。食いしん坊の僕には、そんな食生活とても耐えられないが、カズ選手はそれを実践し続けているのである。何のため?それはずばりサッカーのためである。まさに｢三度の飯よりサッカーが好き｣なのである。チーム練習にはいつも一番乗りで、ランニングでも先頭を走り、若手がそれに続く。｢自分はああだこうだ言う人間ではない。｣カズ選手はこう話した。まさにチームを｢背中で引っ張る｣のだ。そう考えると、カズ選手が若手選手に与えた影響は測り知れないのだ。去年のＪ２優勝はその｢結晶｣といえるだろう。ベテラン選手が容赦なく切られていた最近のＪリーグ。今回の横浜ＦＣの躍進にあやかりたいのか、今年はどこのチームでもベテラン選手にも活躍の場が与えられているようだ。ベテランの持つ｢経験値｣の重要さにようやく気がついたということか・・。
　まもなくＪリーグ開幕。２年ぶりにＪ1の舞台に戻ってくる｢キング・カズ｣。是非とも数多くの｢カズ・ダンス｣が見たいものだ。
続きはまた次回・・。

2007.02.15 Thursday

タイムマシンにお願い!

最近重い文章が続いていたので、今日は趣向を変えて・・。
先日映画を見に行った。｢バブルへＧＯ！｣というものだ。最近やたら宣伝しているので、ご存知の方や、ご覧になった方も多いのではないだろうか。どんなあらすじかといえば、バブルを知らないヒロインがタイムマシンに乗って1990年に戻り、バブル崩壊を食い止めるために奔走するタイムスリップ・コメディ。『私をスキーに連れてって』などを作ったホイチョイ・プロダクションズ制作となる本作は、バブルの絶頂期の東京を舞台に日本経済史上最も盛り上がっていた時代を追体験する。主人公の財務官僚に阿部寛、洗濯機タイムマシンに乗って旅する娘に広末涼子。バブル期の風俗文化を完全再現した映像も必見である。
　見終わった後、理屈ぬきに｢くだらねえなあ!｣と、笑い飛ばせた。いかにも｢ホイチョイ・ムービー｣らしい作品だ。そこでこのバブル期に思いをはせてみた。当時の僕は高校生。だから、まともにこの｢狂瀾怒涛の時代｣を実感した記憶はあまりない。ただ当時放送していた｢トゥナイト｣という番組でディスコのお立ち台で踊っていた、｢ワンレン・ボディコン｣ギャルを毎日のように放送していたのが強烈に記憶に残っている。あ！｢バブル｣を体感したことがあった!そういえば僕はバブル最後の年に入社したのだ。その就職活動のとき、交通費がもらえたりしていた。それに僕は何社からか内定を貰っていたのだが、当時就職協定というものがあって、その解禁日に学生を自社に拘束しようとして、ボーリング大会や１泊２日の温泉旅行までも催していた会社があった。その当時でも、｢なんか変だよなあ・・。｣と僕は思っていたのだが、周りの学生達は｢こんなの当たり前だよねえ。｣なんて、完全に｢バブリー｣だったのだ。その翌年、バブル崩壊・・。その年の新入社員が筆記試験を受けたというのを聞いて驚いた、僕のときは面接だけだったのに・・。｢覚めない夢なんてないよなあ・・。｣そう思ったのを覚えている。その直後、日本経済は奈落の底にまっ逆さま。それに追い討ちをかけるように阪神・淡路大震災・・。それはまさに｢バブル｣に浮かれていた日本人への｢天の怒り｣だったような気がする。あれから１０余年、景気は回復したというが、そんな実感も持てないまま、平成１０年代最後の年・・。ドラム式でもいいから、もしタイムマシンがあったら行ってみたい、｢日本が元気を取り戻した時代｣へ・・って、来てなかったらやだなあ・・。

2007.02.14 Wednesday

｢性善説｣と｢性悪説｣

ちょっと長いが、下の記事を読んで欲しい。

「あおり運転」で最愛の娘を奪われた父親が病床から怒りの告白

いわゆる「あおり運転」で、相手の車に事故を起こさせたとして13日、25歳の男が逮捕された。最愛の娘を奪われた父親が、病床からの怒りの告白をした。事故で娘を亡くした父親は「もう憎しみしかない。納得いかないですね...。ただ、娘だけを返してもらいたい...」と話した。
栃木・大田原市で1月21日午前2時45分ごろ、道路を走っていた1台の車が反対車線にはみ出し、歩道に乗り上げ、ガードレールに衝突し横転するという事故があった。近所の人は「(車は)完全にひっくり返っていました。亡くなった人のことは、20分ぐらい人工呼吸してたんだけど、駄目だったんですね...」と話した。那須塩原市下厚崎の田中千春さん(25)が運転していた軽自動車に乗っていた3人のうち、助手席に乗っていた坂本睦月さん(18)が死亡し、後部座席に乗っていた睦月さんの父親・正さん(42)が重傷を負った。
そして、現場には、同時刻に歩道に乗り上げたもう1台の車があった。
近所のコンビニ店員は「駐車場にいたお客さんが見ていたところによると、男性が1人、女性が数名、逃げていったよっていうふうには言われました」と話した。しかし、この2台の車が接触した痕跡はなく、この事故との関与は謎として残ることになった。ところが、事故から半日後、この車を運転していたという矢板市富田の無職・戸田固士(たかし)容疑者(24)が警察に出頭、無免許運転だったことが発覚し、逮捕された。
戸田容疑者は当初、この事故への関与については、「知らない」と話していたという。しかし、残る事故の当事者2人の証言で、この事故に至る驚がくの事実が明らかになった。
軽自動車を運転していた田中千春さんは「信号が青に変わって進んだ直後に、後ろの車が、1回ライトがハイになって」と話し、正さんは「そのときに、いきなり(前に)グーッと入ってきて、こっちはまだ免許取りたてで、危ないと思って」と話した。運転免許を取得して半年で、初心者マークを付けて運転していた千春さんに対し、突然、戸田容疑者の車が前後を行ききし、執ような嫌がらせをしてきたという。たまらず、一度、正さんが注意しに行ったが、戸田容疑者は聞く耳を持たなかった。
戸田容疑者の車はいったん、コンビニの駐車場に入り、千春さんの車をやり過ごしたが、千春さんの車が通過すると、その背後に回った。
再び千春さんの車の後ろに回り込んだ戸田容疑者の車は、なおもパッシングや幅寄せなどを繰り返したという。
初心者運転の千春さんに対する度重なるあおり行為、そしてついに千春さんはハンドル操作を誤り、車は反対車線を越え、横転した。
あとを続いて、戸田容疑者の車も歩道に突っ込んだという。
車の破損状況から、およそ時速100km前後の猛スピードが出ていたという戸田容疑者の車。戸田容疑者を知る人は「(近所では)結構有名な人。何人か集まって(シンナーを)吸っているのは近所でも評判だった」などと話した。
戸田容疑者は13日午後1時すぎ、業務上過失致死傷罪などで再逮捕された。
警察は、危険運転致死傷罪での立件も視野に捜査を続けている。
正さんは「怒りですね。殺せるものなら今から殺してやりたい」と、その苦しい胸中を語った。(ＦＮＮニュースより)

皆さんどう思うだろうか?僕はこのニュースを知ったとき、｢この男は人間じゃない!｣と思った。昨日のブログで書いた宮本さんのような人もいれば、この犯人のような奴もいる。人それぞれなのだから当たり前なのだが、不条理感を否めない。ひどいかもしれないが、この犯人の戸田が死んで、その代わりに宮本さんが生き返ってくれればどんなにいいかと思った。よく｢この世に要らない人間なんていない。｣とか｢人の命の重さは平等だ。｣などというが、それは｢性善説｣に基づいているものだと思う。ところが、最近僕がこういう事件が起こるたびに考えるのが｢性悪説｣である。それに基づいて考えると、はっきり言って、この戸田のような人間は｢百害あって一利なし｣だと思うし、｢不要な人間｣だと思う。人の命をないがしろにするような奴の命など、取るに足らないものだとも思う。被害者の父親の気持ちはよくわかる。娘を殺されたようなものだからだ。｢若葉マーク｣の初心者ドライバーをあおるなんて、どうか考えてもありえない話だ。それで事故を起こさせて死なせるなんて、許せない!
　昔の法律は｢性善説｣に基づいて作られたものがほとんどのような気がする。だから刑期が軽いのだ。これからは、哀しいことだが｢性悪説｣に基づいて量刑を重くしなければいけないと思う。だからといって犯罪が減る保証はどこにもないが、今の法律は量刑不当なものが多すぎる。だからこんな｢馬鹿者｣が増えるのだ。憲法第９条を云々言う前に、もっと身近なところを見つめなおしたほうがいいと思う、これ以上｢犠牲者｣が増える前に・・。

| fulietigers | コラム | 01:36 | - | - |

2007.02.13 Tuesday

本当に｢あなたを忘れない｣

この文章を、警視庁板橋署常盤台交番の故宮本邦彦警部に捧げます。

東京都板橋区の東武東上線ときわ台駅で今月６日夜、線路内に入り込んだ女性（３９）を助け出そうとして電車にはねられ、意識不明の重体になっていた警視庁板橋署常盤台交番の宮本邦彦巡査部長（５３）が１２日、治療を受けていた同区内の病院で死亡した。
　事故現場や同交番では、回復を願い続けてきた近隣住民らの弔問が引きも切らず、悲報に触れた安倍首相や溝手国家公安委員長らも相次いで同署に駆け付けた。
　同署によると、宮本巡査部長は頭の骨を折って重体となっていたが、同日午後２時２５分、意識が戻らないまま、妻や長男らに見取られながら息を引き取った。
　事故後、同交番には、近隣住民や地元小学校の児童らが、回復を祈って作った千羽鶴や花束が続々と届けられ、同署にも連日、激励の電話や手紙が寄せられていた。(２月１２日付　読売新聞）

　このニュースを知って、思わず涙が流れた。何とか助かって欲しかった・・。神様は残酷なことをする・・。
　｢自殺志願者を助けようとして自分が電車にはねられるなんて・・。｣｢死にたい奴はほっとけばいいじゃんかよ!｣最初僕はそう思った。だが、宮本さんは僕みたいな薄情者じゃなかったのだ。だからこそ死んで欲しくなかった・・。前のブログで、｢あなたを忘れない｣という映画について書いた。その後だっただけに、宮本さんとイ・スヒョンさんが重なったのだ。片や自殺志願者を、片や酔っ払いを助けようとして命を落としたのだ・・。ただ、スヒョンさんの時と違うのは、宮本さんが助けようとした女性は助かりそうなことだ。死のうとした人間が助かり、助けようとした人間が死んでしまうとは、これ以上の皮肉はない!こうなれば、この女性は何が何でも生きなければならない。宮本さんの分まで生きるのだ！それがこれからの彼女の｢義務｣であり｢使命｣だと思うし、何よりも宮本さんに報いる一番の｢供養｣である。
　しかしこんな形で、家族を残してこの世を去らなければならない宮本さんの無念を思うと筆舌に尽くしがたい。ただ、宮本さんには｢千の風になって｣、ご家族や、助けた女性を暖かく見守って欲しいと思う。いや、きっと人格者の宮本さんのこと、僕がこんなことを書くまでもなくそうしてると思う・・。だけど、｢悲しい美談｣は、もういらない・・。　　　　合掌。

2007.02.12 Monday

陰と陽？

昨日、川崎に映画を見に行った。｢ラゾーナ川崎｣という、新しいショッピングモールの中にあるシネコンだった。初めて行ったのだが、あまりの大きさにびっくりした。｢川崎も凄いなあ・・。｣思わず感心してしまった。川崎駅周辺のここ数年の発展ぶりには目を見張るものがある。僕はもっぱら出かけるのは横浜駅周辺なのだが、川崎もまんざらでもないと思った。僕の住んでるところは横浜と川崎のちょうど中間地点にある。どちらへ行くにもかかる時間はほぼ一緒なのだ。しかも川崎の発展ぶりを見ると、川崎に出かけてもいいのではと思うのだが、気がつくと向かう先は横浜なのだ。なぜなのかと自分でも思うのだが、感覚的なものとしか言いようがない。子供の頃から出かけるのは横浜だったし、学校も横浜方面だった。だから横浜のほうが馴染み深いのだ。それに・・、それに、川崎という土地にいいイメージがどうも持てないのだ。僕が子供の頃、｢川崎｣といえば、｢暗い、汚い、公害、ギャンブルの匂い｣のイメージが強かった。それを今でも引きずっているのかなと思う。だから、川崎が発展すればするほど、｢無理してる感｣をものすごく感じるのだ。その違和感を特に感じるのが、川崎駅地下街｢アゼリア｣だ。ここはかなり広い。横浜の｢ザ・ダイアモンド｣よりも広い。ただ、僕はそれがいいとは思わない。「ただだだっ広いだけ・・。｣正直な僕の印象だ。川崎市民が気を悪くするような文章のオンパレードで申し訳ないのだが、それにとどめを刺すようなことを書かせてもらうと、｢どんなにがんばっても川崎は川崎｣なのだ。横浜を凌いで｢神奈川のシンボル｣になることはあり得ないのだ。他府県から観光に来るのは横浜であって、川崎ではないし、他府県の人間が憧れる場所もまた然り。横浜と川崎、この２つの政令指定都市を比べると、人が持つ｢イメージ｣の怖さというものを感じずにはいられない・・。誤解を恐れずに書かせてもらえば、横浜が｢陽｣で、川崎は｢陰｣なのである・・。
ああ、川崎市民に喧嘩を売ってしまった、そんなつもりはなかったのだが・・と、ここまで書いて、この２都市の関係に似た都市があるのを思い出した。それは福岡県の福岡市と北九州市である。横浜・川崎のように隣り合ってはいないが、どちらも政令指定都市で発展している。福岡市は改めてここで書くまでもないのだが、繁華街の博多、天神、中洲があり、キャナルシティやヤフードーム、福岡タワーがあり、まさに｢九州の玄関口｣と呼ばれるにふさわしい、が、よく考えたら位置的に言えば、本当の｢玄関口｣は、門司や小倉を抱える北九州市なのだ。なぜそうならないか?、小倉といえば、｢スペースワールド｣や｢メディアドーム｣があるものの｢暗い、汚い、公害、炭鉱、ギャンブルの匂い｣のイメージが強かった。実際｢メディアドーム｣は競輪場だ。このイメージってどこかの街に似ている・・。そう、川崎だ!ここまで書けばお分かりだと思うが、僕が思うのは、横浜＝福岡で、川崎＝北九州という図式だ。かたや｢おしゃれな港町｣、かたや｢工業都市｣といった感じか・・。こう考えているのはきっと僕だけではないはずだ。実際に福岡出身の同僚は、僕のこの｢理論｣に納得してくれた。ここで書きたいことは、どちらがいい悪いではなく、｢イメージ先行｣というものの怖さである。本当の意味で｢発展｣しているのは、川崎＝北九州だと思う。なぜなら工業都市ということは、企業から税金が入ってくるのだから、住民税が安かったり、公共サービスもいいはずだ。それに比べ、横浜＝福岡は莫大な借金を抱えている。福岡市がそれを理由にオリンピック候補地から外されたのは記憶に新しい。横浜も同様なのだ。どちらの都市にも一長一短がある。このブログをご覧の皆さん、いったいどちらの都市に住みたいだろうか・・?

2007.02.10 Saturday

早く発売しろ!

　今年からユニフォームが変わった。黄色が復活しておおむね好評なようだ。やはりタイガースのユニフォームに黄色は欠かせないものだ。「これでこそタイガース!」そう思った人も多いだろう。
　そこで、ファンであるならば当然新しいユニフォームが欲しいと思うだろう。レプリカユニフォームはグッズショップで発売になっているが、僕が欲しいのはプロコレクションだ。１着３万円前後と値は張るが、やはり「本物」は違う!一度着てしまうと、もうレプリカなんて欲しくない。材質から刺繍まで、全然違うのだ。そういうわけで、当然今回も購入しようと思うのだが、全く発売される気配がない・・。そこでタイガースに問い合わせたところ、取扱の予定、お取扱いの時期、詳細等は未定になっているとの事・・。
「ふざけんなよ!!」
こっちは開幕戦に是非着て行きたいのに・・。はっきり言って、タイガースはこういう反応が鈍すぎる!他球団は大体2/1にはプロコレを発売開始するのだが、去年もそうだが、受け付けるのが遅くて、開幕に間に合わなかった・・。ましてやモデルチェンジともなれば購入希望が増えるであろう事は容易に想像できるはず・・。「選手とともに戦いたい!」「少しでも選手に近づきたい!」こう考えてプロコレを注文する人は多いと思う。そんなファンの思いを球団はどう考えているのか?日本一のファンを抱えているからと、「天狗」になっているのではないだろうか・・。とにかく早く発売になることを願い、毎日ＨＰをチェックする今日この頃である・・。

2007.02.08 Thursday

馬鹿者!!

まずは下の記事を読んで欲しい。

静岡県浜松市で９９年に女子高校生がひき逃げされ死亡した事件で、日本政府の要請を受けたブラジル・サンパウロ州検察庁に起訴された日系ブラジル人、ヒガキ・ミルトン・ノボル被告（３１）が朝日新聞の取材に応じ、「何度も謝りに戻りたいと思ったが、幼い子どもを養っている状況で、逮捕されることはできなかった」と話した。
　「なぜ車を止めなかったのか、自問自答してきた。今なら、ちゃんと止めて救護するだろう」。ヒガキ被告は振り返った。
　だが、実際には現場から逃亡した。「追いかけてくる人を見て、これまで日本で受けた差別が頭に浮かんだ。殴られるかもしれない、何が起きるか分からない、と思い、怖くて逃げた」
　ブラジル憲法は自国民の引き渡しを禁じている。ヒガキ被告は事故から４日後に帰国したが、「父親の看病のため、あらかじめ決めていた」と規定を知った上での帰国という見方を否定。０１年に地元警察に事情聴取された後に弁護士に相談するまで規定のことは知らず、いつ捕まるかとおびえていたという。
　また「引き渡しは凶悪犯罪や政治犯に適用されるものなのではないか」として、ペルー政府からの引き渡し要請にもかかわらず日本で事実上の亡命生活を送ったフジモリ元大統領を引き合いに出し、「彼に比べれば私の容疑は小さなものだ」とも述べた。

　ヒガキ被告によると、帰国直後の００年に結婚し、現在は４歳と２歳の子どもがいる。「あんな事件を起こした私にも子どもが生まれ、人生の新たな機会だと思った」
　被害者の遺族に対しては「私も父親として、気持ちは理解している。日系人としてしつけられ、お墓に参らなければならないという気持ちもある」と述べた。一方で「ブラジルで罪を償ったとしても、日本に行けば逮捕される可能性はぬぐえない。父親として仕事をし、家族を養う責任がある。日本に行くことはできない」と話した。
　ヒガキ被告の裁判は、日本からの要請に基づいてブラジル側が国外犯処罰規定を適用した初のケースだ。初公判は２月６日にある。
（１月３１日付　朝日新聞）

皆さんはどう思うだろうか?
「盗人猛々しい」とは、まさにこの男のためにある言葉ではないか?「差別が怖かった」といっていたが、別の日系ブラジル人が、「こういう人間がいるから差別されるのだ!」と言っていた。まさにその通りである。
　ヒガキは逮捕された後、この件について「反省している。」とか、「申し訳なかった。」とか言っていたらしいが、その「申し訳なかった」人間が、どうして罪を償おうともせず、ブラジルに「逃亡」し、それから８年もの間、結婚したりして、幸福を謳歌したり出来るのか、僕にはさっぱりわからない。いや、わかりたくもない!これが「異文化」というのなら、そんなものクソくらえだ!こんな人間にも僕らと同じ日本人の血が通っているかと思うと、余計に腹が立って仕方が無い!
　実は１０年ほど前、僕は取引先の自動車部品の下請工場に通っていたことがある。そこで働いていた労働者はほとんど日系ブラジル人だった。工場内の看板や張り紙は日本語よりポルトガル語のほうが多かった。たまに話しかけられることもあったのだが、僕はポルトガル語はわからないし、彼らのほとんどが、日本語は望むべくもないが、英語すらも話せないといった有様で、コミュニケーションが取れなくて困ったことが多々あった。「日系」というのは名ばかりで、彼らはただの「外国人」であり、日本も「祖国」ではなく、「出稼ぎ先」でしかないのだ。それならそれでいい。「日系」というアイデンティティなど興味がないという人のほうが多いと思うので、日本をリスペクトして欲しいなんて思わない。実際彼らはその土地に自分達のコミュニティを作り、そこで暮らしている。群馬県大泉町や静岡県浜松市は、「リトルブラジル」として全国的にも有名だ。日本に融合する必要はないだろう。ただ、それは彼らが「善良な市民であれば・・」の話だ。
　「外国」で事故とはいえ、人を殺し、自国に逃げ帰るというのは、人間のやることではない!また、ブラジルもそんな人間は「国の恥」なのだから、かばう必要はないだろう。そんな人間をかばえばかばうほど、ブラジルという国と、その国民を見る日本人の目は、どんどん軽蔑と悪意に満ちていくということを思い知るべきだろう。ある意味、差別が起きても仕方がない状況になるだろう・・。焼津の親子を殺した日系人はどうなったのだろうか?
　これから公判が始まり、下手をすれば１年かかり、仮に有罪になったとしても、ボランティア活動で許される可能性もあるという・・。
　このニュースにはこれからも注目していきたい。そしてこの「代理処罰」という制度を通して、「馬鹿者」が誰なのかはっきりさせて欲しいと思う。

2007.02.07 Wednesday

不惑?

「ミクシィ」のコミュニティの中で、僕が卒業した専門学校に入学したいという書き込みがあった。よく読んでみると、大学受験に連続で失敗し、とりあえず専門学校でも行ってみようと思うのだがどうだろうかというものだった。それを読んでカチンときた僕は、こう書き込んだ。
「厳しいことを書かせてもらうと、あなたの書き込みを読んでいると、肝心の｢やる気｣が感じられません。｢大学ダメだから専門学校『でも』行こうか・・。｣では、多分１年も持たないでしょう。「専門学校『に』いこう！」という明確な目的意識を持たないと、専門学校は卒業できません。専門学校全般に言えることなのですが、大学と同じ感覚で、「遊び」ありきで行くつもりなら、やめた方がいいです、授業についていけませんから・・。学費の無駄だと思います・・。」
　こう書いた後で、軽い自己嫌悪に陥った。「ずいぶん偉そうなこと書くなあ、俺・・。」やりたいことが見つからないとも、この人は書いていた。そこで思い出す歌がある。長渕剛の初期の歌で「道」という曲だ。

歩きつかれて息を切らして
歩いても歩いても見つかりません
自分のやりたい事したい事

右を向いても左を向いても
誰も教えてくれません
自分のやりたい事したい事

泣くだけ泣いたら朝の太陽で
顔を洗って出直しましょうか
歯を食いしばり握りこぶし振れば
いつかはいいことあるもんですよ

若い人に偉そうなことを書いておきながら、実は僕も似たようなものなのだ。やりたいことが見つからないまま、気がつけば３０代後半・・。四捨五入すれば４０歳だ。とても「不惑」どころではない。もしかしてこれだけ厳しいことを書いたのは、この書き込み主に対してと、この人に似ている自分に対しての「イラつき」だったのかなと思う。時代に流されて、中途半端に妥協を重ね、一応社会人はしているものの、「これでいいのか?」と自問自答する毎日・・。やりたいことは見つかりつつある、しかし実行する勇気がない。年を重ねるごとに焦燥感ばかりが募るのだ・・。ただ、実行するにせよ、あきらめるにせよ、決断するまでの猶予はそんなに長くはない。仕事をしているときはそんなこと考えもしないのだが、ふと一人、ＰＣに向かうこの時間、そんなことが頭に浮かぶ事がある。そこでまた浮かんだ歌のフレーズ。同じ長渕剛の「顔」という曲だ。

まわりの人がぼくの事を
おもしろがっている
なまいきな奴だと口にして
鼻で笑って信用しない

偉い人に頭を下げたら
いい奴だと口々にほめられた
心と裏腹の顔を鏡に写したら
恥ずかしい自分に気がついた

僕の人生　そう自分の人生
したたかに生きていかなければ
うしろゆびを指す奴の心は
いつもさむかろう
今は黙って春を待とう

どれだけの言葉をならべても
聞く耳傾けてくれない
いつかは僕の事をそうだとうなずいて
くれる日がきっとくるだろう

ひとつの山をこえたら
そこから人を見下ろす人もいる
むこうにそびえるはるか高い山を忘れて
今の自分に酔う人もいる

僕の人生　そう自分の人生
したたかに生きていかなければ
うしろゆびを指す奴の心は
いつもさむかろう
今は黙って春を待とう

僕の人生　そう自分の人生
したたかに生きていかなければ
うしろゆびを指す奴の心は
いつもさむかろう
今は黙って春を待とう

その「春」を探さなければと思う今日この頃である・・。

2007.02.06 Tuesday

一日の長

サッカーも野球もキャンプが始まっている。どちらも開幕に向けて選手達が懸命にトレーニングしている。それは国内だけでなく、海外でも同じ事、サッカーはシーズン中だけど・・。
　前から考えていたことがある。それは日本と、｢ライバル｣韓国の野球とサッカーの｢海外組｣についてである。
　メジャーでは、韓国人より日本人のほうが圧倒的に多い。それだけでなく、レギュラーとして定着している人間は圧倒的に日本人のほうが多い。イチロー、松井秀、城島、井口など、一部を挙げただけでもこれだけいる。それに加え、今年から移籍する松阪や井川、岩村など彼らの活躍が期待される。翻って韓国はといえば、｢先駆者｣パク・チャンホががんばっているが、毎年チームを替わったり、それに続くチェ・ヒソプやキム・ビョンヒョンなど、レギュラー定着とは言いがたい状態が続いている。メジャーでは日本の｢完勝｣だが、サッカーになると、見事に逆転する。マンチェスター・ユナイテッドで活躍しているパク・チソンを筆頭に、イ・ヨンピョ、ソル・ギヒョン、そして今年からミドルスブラに移籍する｢未完の大器｣イ・ドングッなど、海外で着実に｢足場｣を固めている。それに引き換え日本人は、高原、稲本、中田、小笠原などの｢海外組｣がいるが、活躍しているというには寂しい限りである・・。レギュラーに定着いているとはいえない。しかし、そんな日本人にも｢例外｣はいるのだ。いわずと知れた中村俊輔(セルティック)と松井大輔(ルマン)である。彼らは｢戦力｣として見ていいだろう。
　この違いはなんだろうと思う。野球の場合は、ずばり韓国野球のレベルがまだまだ低いと言うことだろう。ＷＢＣで優勝したこともあり、｢日本野球でトップクラス=メジャーの中堅以上｣という図式が出来上がっているが、韓国はまだそこまで達していないのだ。だからメジャーで成功する韓国人が少ないのだ。だから最近出来つつある図式が、｢韓国野球でトップクラス=日本で中堅クラス｣というものだ。そこで近年出てきているものが｢韓国発日本プロ野球経由メジャー行き｣だ。それに当てはまる選手が、中日はからメジャーに行ったサムソン・リー(イ・サンフン)やオリックスにいたク・デソンなどがいるし、近い将来、イ・スンヨプもその｢仲間入り｣を果たすのだろう。
　ではサッカーはどうか?これは日本はあくまでも｢移籍は個人の自由｣なのに対し、韓国の場合は選手のレベルに合わせて、サッカー協会が後押しするというのだ。だから、Ｋリーグからいきなりビッグクラブに行くという選手はほとんどいない。まずはその選手がレギュラーを取れそうなチームに移籍させ、レギュラー定着をしたら、また更にレベルが上のクラブに移籍させる・・。この繰り返しだ。一見遠回りのように思えるが、これによって、選手は着実に力をつけていくし、それによって｢世界に韓国サッカーあり｣というものをアピールできるのである。日本選手みたいに半年足らずでほとんど試合に出ることもなく、｢お客様｣のまま帰ってくるのとは大違いだ。だが、先にあげた中村と松井は｢韓国スタイル｣の移籍といっていいだろう。彼らには｢ビッグクラブへの道｣が開けつつある。話を韓国に戻すと、パク・チソンはまさに、韓国サッカーが世界に誇る｢代表作｣になったのである・・いや、待てよ。パクは京都サンガでプレーしてブレークしたんだよな、確か・・。ま、それはそれとして、野球に関しては日本に｢一日の長｣があり、サッカーにおいては韓国に｢一日の長｣があるということだ。そこで日本野球がしなければいけないことは、日韓野球の差を今以上に突き放すことであり、日本サッカーがしなければいけないことは、日韓サッカーの差を少しでも詰めていくことであるのだが、さて、できるかな？

2007.02.05 Monday

沖縄・・

旅行つながりで来たここ最近のこのブログ、今日は昨日のブログの舞台でもあり、現在タイガースがキャンプをしている｢沖縄｣について書きたいと思う。正直、後半は重いトーンになりそうで、どん引きする方もいるかもしれないが、｢沖縄｣を語る以上、避けては通れない、いや避けて通ってはいけないものだと思うので、今回はついてこれる方だけついてきていただきたい。
　僕は沖縄が大好きだ。出来ることなら｢終の棲家｣にしたいと思っている。海の青さに空の青・・。沖縄に行ったことのある人ならわかると思うが、沖縄の空の青さは半端じゃないのである!沖縄の空の青さを１０とするなら、東京のそれはせいぜい５がいいところだろう。北海道はどこまでも空が高いが、沖縄はどこまでも青いのだ。海もまた然り。初めて沖縄に行ったとき、バスに乗り間違えてへんぴなバスターミナルで降ろされ、途方に暮れていたとき、ふと視線を上げると目に飛び込んできたのが青い海だった!その美しさに見とれてしまい、困っていたことも忘れ、しばし立ち尽くしていたことを思い出す・・。それから約１０年、僕は重度の｢沖縄病｣患者になった。移住を本気で考えたこともあった。東京へ向かう帰りの飛行機の中で、次はいつ来ようかなんて考えていたりした・・(笑)。ここまで人の心をひきつけるものは何なのだろうか考えた。それは、人情あふれる沖縄の人々や温暖な気候、沖縄料理もあるだろうが、一番の要因は、誤解を恐れずに書けば、｢日本語の通じる外国｣というところではないかと思う。ご存知の通り、僕らは｢大和民族｣だが、沖縄は｢琉球民族｣である。文化自体が日本というよりは中国なのだ。でも、日本国内だから、気軽に｢異文化コミュニケーション｣出来るところが、他の都道府県にはない魅力ではないかと思う。しかし、なにも心を惹きつけられるのは僕らだけではなく、地元沖縄の人たちも同じ、いやそれ以上か・・。
　仕事やプライベートで何人かの沖縄人(うちなんちゅう)と付き合ったことがあるが、例外なく彼らは沖縄に誇りを持っていて、｢いつか必ず帰る!｣といっていた。｢帰りたい｣ではなく｢帰る!｣のだ。ここまで強い｢帰巣本能｣を示す人たちを、沖縄人以外では僕は知らない。ということでまだ沖縄に行ったことのない人は、是非行っていただきたい。本土にはないものがたくさんあり、癒されること請け合い!と、ここで終われば、｢沖縄っていいなあ｣｢常夏の島ってあこがれるよねえ。｣と、好感を持って終わりかもしれない。いや、最初はそれでいい、とにかく沖縄を好きになってくれればそれでいいのだ。(俺は沖縄観光コンベンションビューローの回し者か?)最初の１．２回はそれで構わない。
　ただ、もし、あなたが昔の僕みたいに｢沖縄病｣患者になったら、沖縄の｢明｣だけでなく、｢暗｣の部分にも触れてもらいたい・・。沖縄はいわずと知れた｢基地の島｣で、在日米軍の基地が沖縄に集中してる。まさに｢基地の島｣なのである。それを実感したければ、簡単な方法がある。それはレンタカーを運転して、国道５８号線を名護に向かってひたすら走ること。那覇市や隣の浦添市辺りまではそんなでもないが、その先辺りからいたるところに鉄柵が目立つようになる。その物々しい鉄柵の向こうには青々とした芝生が広がり、大きな家が軒を連ねる・・。これが米軍基地で働く兵士の住宅だ。地元の人が住む住宅の何倍の広さだろうか・・。街を歩く人々も、アメリカ人と沖縄人が交じり、やがて街の看板なども、日本語と英語のミックスになっていく。いったい自分はどこの国にいるのかわからなくなってしまう。やがて気がつく、ここは日本であって日本でないのだと・・。沖縄の島唄にこんなフレーズがある。｢唐の世から大和の世　大和の世からアメリカ世　アメリカ世からまた大和の世　ひるまさ変わたるこの沖縄・・｣もともと独立していた琉球王国が、中国や日本、そしてアメリカなどの外国に常に支配され続ける哀しさを自嘲気味に歌ったものである。
　ご存知の方もいるかもしれないが、｢なんくるないさ｣という言葉がある。意味は｢何とかなる｣ということだ。これだけ聞くと、｢沖縄の人は楽天的でいいねえ。｣と思うだろう。僕はそれにもうひとつ、沖縄人がよく使う言葉を知っている。｢ちゃーんならんさ。｣という言葉だ。｢どうにもならない｣という意味だ。偉そうな感じがするが、僕はこの２つの言葉が｢沖縄｣を理解するための｢キーワード｣だと思っている。つまり、｢やるだけやって、駄目ならあきらめよう!｣と、刹那的な響きがある。｢自分達の力ではどうにもならないこともある・・。｣時代に翻弄され続けてきた｢沖縄｣という土地と、そこに住む人たちの｢人生観｣を表しているのではないかと思う。
　色々書いたが、最後にひとつ。８月６日、８月９日、８月１５日とともに｢６月２３日｣を覚えておいて欲しい。本土の人で、この日が何の日か知ってる人はほとんどいないと思う。この日は｢沖縄慰霊の日｣という。｢本土の捨石｣とされ、唯一の地上戦となった｢沖縄戦｣が終結した日とされている。こんなこと書いてる僕も、こんな日があるなんて５年前まで知らなかったのだ・・。その際に起きた悲劇は、皆さんご存知だと思うので、ここでは触れないが、その挙句、沖縄は、戦後６０年を過ぎた今でも、｢基地の島｣という｢捨石｣になっているのだ。だからといって何も出来ないのが、情けなくもあり、悔しくもある・・。そんな僕が出来ることは、｢観光立県｣沖縄に行って、いろんなところを｢観光｣することだと思う。皆さんもそういう意味でも是非沖縄へ行っていただきたい。いろんな意味で、｢今まで知らなかった日本｣が見えてくると思う。

2007.02.04 Sunday

ゆいまーる

前のブログに対して、予想以上の反応が返ってきて驚いた!｢みんな、ハプニングものは好きなんだなあ・・。｣なんて思った。それに味をしめて!?それならば・・ということで、だいぶ昔の話だが、今でも忘れられない、いや、忘れちゃいけない旅の思い出を書きたいと思う。
　それは今から１０年以上前、沖縄に行った時のこと、石垣島の先にある日本最西端の島、与那国島という島に行った。せっかく石垣まで来たのだから、日本の果てを見たくなったのだ。石垣から飛行機で１時間足らず、与那国空港に着いた。空港といっても、ローカル線の駅みたいな小さな空港だったが・・。本当はタクシーで島を回ろうと思ったのだが、考えが甘かった・・。この島のタクシーは数えるほどしか走ってなく、そのほとんどが予約済みだったのだ。都会に住んでると、タクシーなんていくらでも走っているという感覚があったのだが、よくよく考えてみれば人口が少ない島なのだから、｢流しのタクシー｣なんて走っているわけがないのだが、当時はそんなこと考えもしなかった・・。これがすべての始まりだった。
　島一周が無理なら、せめて｢日本最西端の地｣と書いてある石碑までは行きたいと思った。距離にして約８キロ、｢歩けるな。｣と思った。そして歩き出した。また機会があれば書きたいと思うのだが、僕は歩くのは嫌いではない。特に川沿いを歩くのが好きだ。時間があればどこまでも行く。翌日足が痛くなるのがつらいのだが・・。話を戻すと、歩いた、歩いた、ひたすら歩いた。東シナ海、牧場、与那国馬など、移り行く景色に目をやりながらとにかく歩いた。そして石碑のあるところまでたどり着いた。石碑の写真を撮り、さあ戻ろうかと時計を見た瞬間、凍りついた。空港からここまで歩いて約１時間半。帰りの飛行機(最終便)が飛ぶまで約１時間だったのだ!｢やばい!!｣石碑まで行くことに頭がいっぱいで、時間計算していなかったのだ。｢俺としたことが・・。｣後悔先に立たず、とにかく走った。｢途中でタクシーが捕まることを期待しよう。｣そう思って走り出したのだが、淡い期待は期待でしかなかった。タクシーはおろか、乗用車すら走っていない・・。それでも走り続けるのだが、まだ半分以上距離があって、飛行機出発まであと３０分・・。絶望感にさいなまれた。｢今日はここで泊まりか・・?｣頭がくらくらしてきた・・。
　その時、サトウキビを積んだ１台の軽トラが僕の前で止まった。｢兄ちゃん、どうした?｣島人(しまんちゅ)のオジイが声をかけてくれた。僕が必死に走っていたのを見かけ、ただならぬものを感じたのだろう・・。｢渡りに船だ!｣これを逃したらおしまいだと思い、わけを話し、乗せてくれないかと話したら、快く乗せてくれた。｢助かったあ!!｣走っても走っても変わらなかった景色が目の前でどんどん変わっていく。｢車って便利な乗り物だなあ!｣自動車と人のありがたみが初めて骨身にしみた・・。オジイとの会話も、今となっては何を話したか覚えてないのだが、とても温かい人だったのは覚えてる。そして搭乗受付ぎりぎりに到着!満足なお礼も出来ずに、空港に駆け込んだ!そして何とか石垣に戻ることが出来た・・。　
　それから与那国に行く機会は残念ながらないのだが、もし再び行く機会があったら、是非あの時のオジイを探し出して、ちゃんとお礼を言いたい。旅の途中で、人の温かみというものに初めて触れた、今でも忘れられない思い出だ・・。
　それから何年か経ったとき、たまたま仕事で一緒だった沖縄人(ウチナンチュウ)に教えてもらった言葉があった。｢ゆいま－る｣という言葉だった。意味は｢相互扶助｣。｢困ったときはお互い助け合いましょう。｣という意味だ。縦の繋がりより横の繋がりのほうが強い沖縄ならではの言葉だと思った。そんな文化の中で生きているから、あんなに心が温かいのだろうなと思った。僕も出来ればああ生きたいものだと思った。この場を借りて一言、
｢オジイよー、いっぺーにふぇーでーびたん！(おじいさん、本当にどうもありがとう!)｣

2007.02.04 Sunday

生きた心地がしなかった・・。

前のブログで海南島について書いたのだが、今日はそこに行ったとき、ヒヤリとしたことについて書こう。それは２日目の夜のこと、ホテルのあったリゾート地へ三亜市内から戻ろうとして、タクシーを捕まえた。海南島のタクシーは基本的にメーターを倒さないので、(メーターがついてないタクシーも走っているのだ!)乗る前にホテルのカードを見せ、値段交渉した。そのときに運転手が提示したのが50元(約800円)。｢おや!?｣と思った。なぜなら昼間にホテルから三亜市内に向かったときに提示された額が30元(約500円)だったからだ。｢ふっかけてるのか!?｣とも思ったが、夜だったので、他にタクシーが捕まりそうもなかったので乗ることにした。　
　タクシーは賑やかな繁華街を抜け、ホテルのあるリゾート地に向かっていく、向かっていくのだが、何か違う・・。こんな道知らない・・。向かうべき方向と逆の方向に行ってるんじゃないか、これ・・。こちらの心配をよそに、ドライバーは、人通りのない道をどんどん車を走らせていく・・。よからぬことを考えた。｢こいつ、俺を人気のないところにつれてって、身包みはがすつもりか・・!?｣｢海外ではそんなことあるって聞いたことあるよなあ・・。｣「よし、金が目当てなら全額渡そう、どうせ5000円くらいしかないし・・。｣「ただ、殺そうとしたら戦わなきゃいけないなあ。武器になりそうなものは持ってたかなあ、俺・・。｣そんなこと考えながら、持っていたバッグの中や車内に思いを巡らせる・・。往きの時の倍くらいタクシーに乗ってる間、そんなことを考えてた・・。｢俺、ここで死ぬのか?｣そんなことを考えた瞬間、タクシーは急に明るい建物に滑り込んだ。｢へ!?｣ホテルだった。ホテルだったのだが、同じホテルチェーンの違うホテルだった。運転手が単に勘違いをしていたのだ！
「もう～、脅かすなよ!!｣
そこでドライバーに、｢アンタ、勘違いしてるよ！｣と抗議、改めてホテルのカードを見せる。そこでドライバーもようやく自分の間違いに気づき苦笑い・・。慌てて本当の目的地に向かう。ドライバーは悪いと思ったのか、吸えない僕にタバコを勧めたり、わからない中国語で話しかけたりした。｢なんだ、いい人じゃんか。｣ここでほっと一安心・・。
　そして30分後、ようやくホテルに到着・・。タクシーを拾ってからすでに１時間が過ぎていた。僕もいろんな国を旅したが、生きた心地がしなかったのは初めてだった。いやあ、貴重な経験をさせてもらった・・。今となっては笑い話だが、はじめて海外旅行のリスクを感じた出来事だった。だからといって懲りることなんてないけどね・・。ああ、また海外に行きたいなあ・・。

2007.02.03 Saturday

僕らも｢日本代表｣

先日の芸能ニュースで、トミーズ健が番組の企画で行った中国の海南島で、ロケ中にお尻を出して、中国当局に厳重注意され、始末書を書いて帰国したと報道していた・・。それを知って、｢ああ、また日本人が誤解されるなあ・・。｣と思った。海南島といえば、僕が先月行ったところだ。リゾートアイランドで、とてもいいところだった。しかし宣伝不足のせいか、日本人はほとんどいなかった。そんなところによく彼らは行ったなあと思った。彼らは現地コーディネーターの許可を得てやったという話だったが、｢ちょっと甘いなあ｣と思った。街中ならそれでよかったのかもしれないが、彼らがそれをやったのが有名な寺の前だったという。宗教観が確立されていない日本人にとっては大したことないと思っていることでも、地元の熱心な信者にしてみればとんでもないことだってあるのだ。そこまではコーディネーターも読みきれなかったのではないか・・。結局、番組はお蔵入りになったそうな・・。
　今回の一件で思い出したのは、僕が正月に上海に行ったとき、さんざん客引きに付きまとわれていやな思いをしたことだ。確かに彼らは｢ろくでなし｣だと思うが、よくよく考えてみれば、彼らがあれだけしつこく誘うということは、彼らの誘いに乗る人間がいるということだ。需要があるから供給があるのだ。何年か前に、日本の会社が社員旅行で中国に行ったときに集団買春をし、えらいひんしゅくを買ったという話を思い出した。あの話もそのだいぶ後になって発覚したのだが、その時にも思ったことは、日本人はいろんな意味でカモにされているということだ。｢旅の恥はかき捨て｣なんて言葉もあるが、それは国内だけにして欲しいと思う。日本じゃ笑い話で済むことでも、極端な話、外交問題に発展することだってあるのだ。あくまでも｢よその国｣に行くのであって、自分達は｢訪問者｣だということを忘れてはいけない。たまに外国の街を我が物顔で傍若無人にふるまっている日本人を見るのだが、同じ日本人として恥ずかしい思いをしたことが結構あるのだ。せっかくの海外旅行なのだから、羽根を伸ばすのは大いに結構だと思うが、ハメを外してはいけないと思う。自由さの中にも謙虚さを持って旅を楽しんでもらいたい。
　ひとつ思い出したことがある。それは２００２年の日韓Ｗ杯で韓国に行ったときのこと、街のいたるところに一枚のポスターが貼ってあった。そのポスターでは、一般市民が韓国代表よろしく、左胸に右手を当て、空を見上げている。その上に書いてあった言葉が、｢私たちも韓国代表です。｣だった。海外からいろんな人が来るから恥ずかしくないように振る舞いましょうということだった。いかにも韓国らしいなと思った。日本ではありえないだろう。それを思い出して考えたことは、「私たちも日本代表です!｣ということだ。海外に行った時は心の片隅にでもそういう意識を持って欲しい。そうすれば、地元の人から馬鹿にされるようなことも少なくなるだろうし、変なトラブルに巻き込まれることもないはずだ。節度を持って旅をしよう。そうそればきっと楽しい旅になるはずだから・・。

2007.02.01 Thursday

オシム博満監督!?

読んでもらう前にちょっと一言。この記事は落合監督を賞賛している。｢タイガースファンのブログで何かいてんだよ!｣と怒る人もいるかもしれないが、去年の悔しさを今一度思い出し、今年こそ・・という気持ちからなので、是非とも広い気持ちで読んでいただきたい(笑)。
　今日は２月１日。サッカーに続き、プロ野球もキャンプイン!文字通り｢球春到来｣だ。阪神タイガースも横浜ＦＣもいいスタートを切れたようだ。選手達には、このままけが人が出ないように、充実したキャンプをすごしてもらいたい。
　ところで、サッカーでは去年｢オシムジャパン｣が誕生し、期待通り多くの若手選手がどんどん抜擢され、青いユニフォームを着た。去年はものすごく大きな背番号を背負った選手がたくさん出たりと、まだまだ｢お試し期間｣の意味合いが強かったが、今年は東南アジアで、３連覇をかけたアジアカップが行われるので、いよいよ｢海外組｣との｢融合｣がささやかれているが、その時の代表に、去年選ばれた選手がどれだけ残れるか楽しみだ。ジーコ時代にはなかった、｢ビッグサプライズ｣があるかもしれないので、とても期待している。なんと言ってもオシム監督の真骨頂は、｢若手を育てながら、試合に勝つ｣ことだろう。ジェフの監督時代、ただでさえ選手層が薄いチームだったにもかかわらず、主力選手がどんどん抜けていき、｢これじゃチームにならないよなあ。｣なんて状態でシーズンを迎えても、全く無名の選手が出てきて、いつの間にかレギュラーに定着し、抜けた選手の穴を埋める以上の活躍を見せ、挙句の果てには、その抜けた選手のことを忘れさせてしまうのだ。ナビスコ２連覇も、オシム親子なしでは達成できなかっただろう。これこそ｢名将｣のなせる業だと思う。今年はついに阿部が抜けたジェフ、アマル監督の腕の見せ所だろう。横浜ＦＣの次に注目したい。
　ここまで書いたところで、日本のプロ野球にも同じように｢名将｣がいるのをご存知だろうか?誰であろう、阪神の岡田監督・・と書きたいところだが、残念ながら違う・・。悔しいけれど、僕が考える｢名将｣は、去年のセ・リーグの覇者、中日ドラゴンズの落合博満監督である。落合監督はオシム監督のように観察力、分析力に優れ、無名の若手やくすぶっていた中堅、ベテランを見極め、｢これは｣という選手をキャンプで徹底的に鍛え上げ、シーズンでぱっと出されても、見事に活躍させてしまうのだ。特に阪神ファンが忘れられないのが、中田賢一投手だ。彼が阪神戦で登板したここ２年、一度も彼を打ち崩すことが出来なかった。これが去年のＶ逸の原因といっても過言ではない。(ちなみに去年の阪神のナゴヤドームでの成績は１勝１０敗!!優勝できないわけだ・・。)他にも英智や吉見、久本、高橋聡文、森野に佐藤充・・、悔しくて、選手名を覚えてしまった・・。
　外国人監督ではこういう人もいたが、僕の知る限り日本人監督で｢育てながら勝つ｣を実践した人は落合監督以外知らない。｢本当に頭のいい人だな・・。｣僕の落合監督の印象だ。｢名選手で名監督｣という人は、日本プロ野球界見渡してもそうはいない。今の球界では落合監督とソフトバンクの王監督ぐらいではないか・・。だから、落合監督がいる限り、中日は優勝候補であり続けるし、阪神にとっての｢目の上のたんこぶ｣であり続けるのだ、はあ・・(溜息)。今年もしんどい一年になりそうだ・・。せやけど、今年は負けへんでえ!球児の涙を忘れるな!中日を震撼させた、終盤の猛追撃を忘れるな!
　今年こそ何が何でも｢勝ちたいんやっ!!｣

2007.02.01 Thursday

どちらも”伝統の一戦”

昨日、タイガースの新ユニフォームが発表された。僕の印象は、おおむねＧＯＯＤ！やはりタイガースのユニフォームには黄色と黒が入らなくてはいけない!ただ、兄貴も言っていたが、いただけないのがネームと背番号の字体である。あんな丸っこい字体では精悍さが出てこない。背番号は出来れば前の字体に戻して欲しいなあ・・。脇の黄黒のラインはいいと思う。一番嬉しいのは、黄色いつばの帽子に戻ったことだ。あの帽子に魅せられて僕は阪神ファンになったのだから・・。何はともあれ、今年こそこのユニフォームで優勝してもらいたいものだ。
さて、今日からキャンプインということで、それにふさわしく、野球と、僕の好きなサッカーのコラボレーションで記事を書いてみよう。（トラックバックで読んだ人、ごめんなさい。)少し前の話になるが、去年の暮れ、サッカーの｢クラブワールドカップ｣というものをやっていた。｢クラブ世界一決定戦｣だ。優勝したのは南米代表のインテルナシオナルだったが、今回取り上げたいのは、決勝で惜しくも敗れた、｢美しきファイナリスト｣ＦＣバルセロナである。バルセロナといえば、スペインのカタルーニャ地方のクラブであるにもかかわらず、その人気はスペイン全土のみならず世界中にも及ぶのは今さら書くまでもない。そのバルセロナのライバルチームといえば、いわずと知れたレアル・マドリードである。こちらは首都、マドリードのチームで、世界中の有名選手をかき集めて、｢銀河系軍団｣などと呼ばれている。このライバル関係って、日本の別のスポーツで見たことがあるような気がする。それはプロ野球の阪神と巨人に似ていないだろうか?もちろん、バルサ=阪神で、レアル=巨人に当てはめられると思う。(実際、サッカーをよく知らない人から、バルサとレアルについて聞かれると、こう説明することにしている。)共通点を挙げてみると、バルサ=阪神では、どちらも地方のクラブで、熱狂的なファン(サポーター)に支えられていて、その人気は全国的で、｢ライバルチームには絶対負けない｣という、強烈なまでの反骨心と、クラブに対する愛情（溺愛!?）にあふれている。成績でも、リーグ優勝など、いいところまでいくのに、あと一歩のところで天下(日本一、世界一)がとれないところまでそっくり!!(結構自虐的)一方、レアル=巨人は、どちらもまさに｢巨人｣である、白とオレンジの違いはあるにせよ・・。そしてどちらも首都のクラブであるだけでなく、自国を代表するクラブだということを自認している。それにバルサ=阪神が強烈なまでにライバル心をむき出しにしている一方、こちらはそんなに意識していないというところも一緒だ。しかし一番似ているところは、他クラブから、金にモノを言わせて主力選手を、チームのバランスを考えずどんどん｢買って｣きて、必要なくなったらあっさり｢ポイ捨て｣するところである。バルサの中心がロナウジーニョなら、阪神の中心は金本だが、巨人もレアルもタレントがライバルチーム以上に揃っているが、中心(核)となる選手がいない。それが両クラブがここ数年不振を囲っている理由ではなかろうか。バルサ=阪神のここ数年の快進撃と、レアル=巨人の不振を比べて思うことは、｢チームのバランスはとても大切!｣ということである。ホームランバッターやセンターフォワードばかりでスタメンを並べても試合に勝つことは出来ないということを身を以って教えてくれている(嘲笑)。最後の共通点として、両チームの対戦はどちらも｢伝統の一戦(エル・クラシコ)｣と言われている。歴史と伝統を誇るクラブ同士ならではである。この試合では、期待に違わず名勝負が多い。来年も是非リーガ・エスパニョーラでもプロ野球でも、素晴らしい｢伝統の一戦｣を期待したい。ちょっと突飛な理論かもしれないが、いかがだろうか？