"無責任一代男"よ、永遠なれ!!
戦後の高度成長期を代表するコメディアンでクレージーキャッツのメンバー、植木等（うえき・ひとし）さん＝本名同じ＝が２７日午前１０時４１分、呼吸不全のため都内の病院で死去した。８０歳。三重県出身。本人の遺言により、近親者のみの密葬にし、来月初めにも「お別れの会」が執り行われる。肺気腫を患いながら仕事を続けてきたが、昨年、盟友の宮川泰（享年７５）、青島幸男（享年７４）の両氏を相次いで亡くし、憔悴（しょうすい）していたという。
今月１日に「クレージーキャッツ」に参加してちょうど５０年を迎えた中、日本中にたくさんの笑いを届けてくれた植木さんが、静かに逝った。
所属する渡辺プロダクションによると、今月中旬に患っていた肺気腫が悪化。しばらくして意識が混濁し、２７日午前、入院先の病院で登美子夫人と愛娘３人にみとられて亡くなった。 (スポーツニッポン)
｢昭和は遠くなりにけりか・・。｣訃報を聞いたとき、そう思った。
僕は70年代生まれなので、｢クレージーキャッツ｣の全盛期をオンタイムで知ることはなかった。だから、植木等さんにせよ、ハナ肇さんにせよ、俳優というイメージが強く、彼らが僕が生まれる前、お笑いグループだったことを知ったのはだいぶ後になってからのことだった。僕が植木さんをはじめて知ったのは、長淵剛の主演ドラマ｢親子ゲーム｣で巡査役で出演していたときだ。｢陽気なおっさんだなあ｣というのが第一印象だった。その後、いろんなドラマで見るようになり、｢植木等＝俳優｣というイメージが定着していた。しかし、今から約15年前、僕が就職活動をしていた頃、１枚のCDをレコード屋で見つけた。｢スーダラ伝説｣というものだった。ジャケットには植木さん。何とはなしに買ってしまった。家に帰って早速CDを聞くと、｢スーダラ節｣、｢無責任一代男｣、｢ドント節｣、｢黙って俺についてこい｣等など・・まさに｢植木ワールド｣だった。どの歌も底抜けに明るく、聞く者に元気と勇気をくれるものばかりだった。僕は高度経済成長期の後に生まれたが、｢きっとその当時の日本人って、こういう曲を聞いて、猛烈に働いていたのかなあ。｣なんて想像していた。特に心に残るフレーズといえば、やはり｢スーダラ節｣の｢わかっちゃいるけどやめられねえ」だ。一見｢お気楽｣なフレーズだが、よく考えると結構奥が深い。言ってみれば人間の｢業｣を表してるようなものだ。飲みすぎ、食べ過ぎ、タバコの吸いすぎ、無駄遣いなど、｢罪にならない悪｣・・、心当たりのない人はいないだろう。ただ、｢わかっちゃいるけどやめられねえ」から、人生楽しいと思うし、｢わかっちゃいるけどやめられねえ」から、人間なんだと思う。｢無駄のない人生｣なんてさぞかし味気なく、つまらないものだろう。この曲を作った青島幸男、そしてそれをさらっと歌ってしまう植木等ってまさに天才だと思った。就職活動で大変だった僕だが、このCDには救われた。皆さんもCDレンタルしてみてはいかがだろうか・・。
｢昭和の象徴｣がまた一人逝った・・。平成になってからあまりいいことのないこの国だが、植木さんのような底抜けな明るさがあれば、｢そのうち何とかなるだろう!｣と思っているのは僕だけだろうか・・? 合掌
今月１日に「クレージーキャッツ」に参加してちょうど５０年を迎えた中、日本中にたくさんの笑いを届けてくれた植木さんが、静かに逝った。
所属する渡辺プロダクションによると、今月中旬に患っていた肺気腫が悪化。しばらくして意識が混濁し、２７日午前、入院先の病院で登美子夫人と愛娘３人にみとられて亡くなった。 (スポーツニッポン)
｢昭和は遠くなりにけりか・・。｣訃報を聞いたとき、そう思った。
僕は70年代生まれなので、｢クレージーキャッツ｣の全盛期をオンタイムで知ることはなかった。だから、植木等さんにせよ、ハナ肇さんにせよ、俳優というイメージが強く、彼らが僕が生まれる前、お笑いグループだったことを知ったのはだいぶ後になってからのことだった。僕が植木さんをはじめて知ったのは、長淵剛の主演ドラマ｢親子ゲーム｣で巡査役で出演していたときだ。｢陽気なおっさんだなあ｣というのが第一印象だった。その後、いろんなドラマで見るようになり、｢植木等＝俳優｣というイメージが定着していた。しかし、今から約15年前、僕が就職活動をしていた頃、１枚のCDをレコード屋で見つけた。｢スーダラ伝説｣というものだった。ジャケットには植木さん。何とはなしに買ってしまった。家に帰って早速CDを聞くと、｢スーダラ節｣、｢無責任一代男｣、｢ドント節｣、｢黙って俺についてこい｣等など・・まさに｢植木ワールド｣だった。どの歌も底抜けに明るく、聞く者に元気と勇気をくれるものばかりだった。僕は高度経済成長期の後に生まれたが、｢きっとその当時の日本人って、こういう曲を聞いて、猛烈に働いていたのかなあ。｣なんて想像していた。特に心に残るフレーズといえば、やはり｢スーダラ節｣の｢わかっちゃいるけどやめられねえ」だ。一見｢お気楽｣なフレーズだが、よく考えると結構奥が深い。言ってみれば人間の｢業｣を表してるようなものだ。飲みすぎ、食べ過ぎ、タバコの吸いすぎ、無駄遣いなど、｢罪にならない悪｣・・、心当たりのない人はいないだろう。ただ、｢わかっちゃいるけどやめられねえ」から、人生楽しいと思うし、｢わかっちゃいるけどやめられねえ」から、人間なんだと思う。｢無駄のない人生｣なんてさぞかし味気なく、つまらないものだろう。この曲を作った青島幸男、そしてそれをさらっと歌ってしまう植木等ってまさに天才だと思った。就職活動で大変だった僕だが、このCDには救われた。皆さんもCDレンタルしてみてはいかがだろうか・・。
｢昭和の象徴｣がまた一人逝った・・。平成になってからあまりいいことのないこの国だが、植木さんのような底抜けな明るさがあれば、｢そのうち何とかなるだろう!｣と思っているのは僕だけだろうか・・? 合掌
| fulietigers | 徒然日記 | 22:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
