｢六甲颪｣に"Wings of Freedom."

2007.03.21 Wednesday

はえぬき

別に山形米や、ましてやモンテディオのことについて書こうというのではない(笑)。｢等々力の悪夢｣について書いたとき、強いクラブは育成がしっかりしてる旨のことを書いた。そこで、現在の横浜ＦＣのトップチームに登録されている選手のうち、移籍選手でない、いわゆるはえぬき選手を探してみると、内田、太田、秋葉選手のたった3人!(難波選手は除く)　確かにサッカーというスポーツは移籍が盛んだが、それにしてもこれはちょっと寂しい・・。強豪といわれるクラブを見てみると、全選手の半分もしくはそれ以上が高卒や下部組織(ユースやＪｒユース)出身で占められる。これはどういうことかというと、チームの育成方針が一貫しているということだ。それによって育った選手がトップチームで活躍するという図式になる。
悔しいことであり、当然のことなのだが、｢もうひとつの横浜のクラブ｣が若手がどんどん出てくるというのは、育成システムが成熟していて、そういう選手で固められることが何よりの強みになる。浦和、ガンバなども同様、いろんなところから選手を｢買って」くるが、｢中心的存在｣になっているのは長谷部、山田、小野、二川、橋本などやはり生え抜きの選手だ。それによって選手層が自然と厚くなってくるのである。選手を買ってくることで有名なチームがプロ野球にある。いわずと知れたジャイアンツだ。選手を買いまくって｢強化｣している割にはここ数年続く体たらくの原因は、生え抜きの選手が｢中心的存在｣になっていないというところだろう。僕は阪神ファンなのでこんなことを書くのはどうかと思うが、巨人が｢復活｣するために必要なものは、選手を｢買う｣事ではなく、生え抜きの選手を育て、チームの｢中心的存在｣に育て上げることなのだ。確かに選手を買ってくれば、その年はチーム力は上がるかもしれないが、それはあくまでも一時的なものであって、長期的なものではないし、継続するものでもないのだ。もし巨人が常勝チームになることを考えたら、小笠原や谷を取ることでなく、矢野や脇谷や亀井などの才能ある若手を徹底的に鍛え上げ、レギュラーにすることだろう、例えそれで数年間は低迷することになっても・・。巨人ファンはそういう｢育成期間｣を許してくれないというのが一番の問題だと思うのだが・・。巨人の低迷とは逆に、阪神のここ数年の大躍進は、確かに金本やシーツの活躍など、戦力補強がうまく行ったということもあるが、それもさることながら大部分を占めるのは赤星、浜中、今岡、藤川ら、生え抜き選手がチームの中心になってからであろう。
　今まで書いてきたように、生え抜き選手が活躍するチームは強いということだ。横浜ＦＣも早く｢そういうチーム｣にならなければならない。チームのレベルアップのために必要なもの、それはやはり若手の台頭だ。下部組織の選手が育ち、それがトップチームに送られ、トップチームの選手の半分以上がそういう選手で占められるようになったら、きっと横浜ＦＣも｢立派な｣クラブになっていることだろう。早くそんな日が来ることを願ってやまない。