「ゆとり」って誰のため!?
24日付の記事で「ゆとり教育」について書いた。正直軽い気持ちで書いていたのだが、結構反響があったので驚いている。「野球と関係ない、硬めな文章なのに結構読んでくれてるんだな・・。」と、素直に嬉しかった。まさに書き手冥利に尽きる。ただ、その記事に対して頂いたコメントの中で、心に突き刺さったものがあるので紹介したい。
｢はじめまして。私は今まさに「ゆとり教育」の真っ只中にいて、来年に大学受験をひかえています。高校一年生の頃には先生方が『この内容は中学で習ったものなんだがなぁ…』とよくおしゃっていました。『学力低下』だ『ゆとり教育見直し』だと言われている中で、私達の抜け落ちてしまった時間はどうすればいいのか、ニュースなどでこの話題が取り上げられるたびに思います。
これから見直すのはいいことだが、ある意味失敗作である私達はどうすればいいのか、と不安に思うこともあります。
この先社会の目に私達がどう映るのか考えると、気が重いです…。｣
これを読んで、しばらく言葉がなかった・・。｢まさかこんな反応があるとは・・。｣ まさに予想外だった。このコメントを読んでしばらく考えた。先の記事は、僕達｢おじさん世代｣からみた｢ゆとり世代」についてのものだった。あの記事では最後に、
｢ゆとり教育｣世代がもうすぐ社会に出てくる。そして彼らが社会の中心的存在になった時、良くも悪くも｢ゆとり教育｣の｢本当の成果｣が出る。その時日本はどうなってしまうのかを考えると、正直怖いな・・。
と、結んだ。｢怖い｣と思ったのは偽らざる僕の本音だ。しかし、このコメントを読んで、本当に｢怖い｣と思っているのは、何を隠そう、｢ゆとり世代｣の今を生きている子供達なんだと思い知らされた・・。正直そこまでは考えてなかった。今となっては、｢ゆとり世代｣の子供達に対して失礼なことを書いてしまったと反省している・・。ただ、それと同時に安堵もした。だって彼らは自分自身のことをよくわかっているからだ。こういう人たちは多かれ少なかれ、｢私たちはこれでいいのだろうか?｣という｢危機感｣を持っているということだ。そういう人たちは恐らく社会に出てもなんら問題ないと思う。そういう気持ちを持っている限り、彼らを理解やサポートをしてくれる｢すばらしい大人たち｣が必ず現れるとおもう。もちろん、自分に足りないものを自覚した上で、｢自分を磨く努力｣を忘れないという前提の下であるが・・。
ただ、問題なのはそういう｢危機感｣を持っていない子供達である。そういう子たちが社会に出てきたら、やっぱり｢怖い｣と思う。
今回、この記事を書く際に、｢ゆとり教育｣について調べてみた。そこで驚いたことが・・。実は｢ゆとり教育｣と呼ばれるものは30年前から始まっていたということだった。この教育の象徴とされる｢週５日制｣こそ平成に入ってから実施されたものだが、学習指導要領の改正自体は昭和５２年から段階的に行われていたのだ(実施は５５年度から)。てことは、一応僕も｢ゆとり世代｣ということになる!?なあんだ、偉そうなこと書けないや(苦笑)・・。
それはさておき、本格的に｢ゆとり教育｣が施行されたのは平成４年からなのだ。小学１．２年の｢理科｣｢社会｣が廃止されたというのも驚きだ!そして、この教育の｢目玉｣になっているのが｢総合学習｣である、と書いてもよくわからない・・。調べてみると、｢児童、生徒が自発的に横断的・総合的な課題学習を行う時間｣だそうだ。そういえば、土曜日に学校で工作とかしているのを見たことがあるのだが、あれがそうなのだろうか？誰かこれをご覧の専門家の方がいらっしゃったら意見を仰ぎたい。
確かに僕ら｢詰め込み世代｣では、今考えると、実社会では役に立たないことに時間を割いていたという記憶がある。僕がこの話題になると思いうかべる｢無駄なもの｣とは、ずばり｢英語｣だ！と、ちょっと待った!早とちりしないで欲しい。僕がここで糾弾したいのは、英語は英語でも｢受験英語｣といわれるものだ。｢語学｣とは本来、｢生きた言葉｣を学ぶものだと思うのだが、この｢受験英語｣では、｢生きた言葉｣を学ぶ機会はほとんどない。まず｢文法｣ありき、｢イディオム｣ありき、｢文型｣ありきの｢語学｣では、何年やったって話せるようになるわけがないし、好きになるわけもないのだ。確かに｢文法｣など、不要だというつもりはないが、学習方法が間違っていると思う。僕らが日本語を覚えたときのことを考えれば、｢受験英語｣ほど無駄なものはないというのは言わずもがなだろう。それ以前に、そういうものが幅を利かせる日本の教育制度が間違っているのだろうなと思う。
それで思ったことは、確かにこの世代は｢失敗作｣と呼ばれるかもしれない。｢馬鹿な大人たち｣に踊らされた｢被害者｣かもしれない。ただ、それはあくまでも｢世代｣であって、｢個人｣が｢失敗作｣や｢被害者｣で終わるか、それとも｢立派な社会人｣｢立派な大人｣になるかはこれからのその人の生き方次第だと思う。東大卒でも社会では使えないと後ろ指を差される｢頭でっかち｣もたくさんいれば、中卒、高卒でも、仕事ができて、尊敬される人もまたたくさんいる。一度社会に出てしまえば、学歴なんて関係ないのだ。その人自身が自分を磨くことを忘れなければ、何も心配することはないと思う。確かにはじめのうちは｢ゆとり世代｣ということで風当たりは強いかもしれないが、周りの人はその人が努力していれば、その姿を見ているはず。そして必ず理解者が現れるはずだから、前向きにがんばって欲しいと思う。考えようによっては、そこでがんばれば、｢普通の世代｣の人間より目立つのではないだろうか。｢ピンチは最大のチャンス｣と思ってがんばって欲しいと思う。それにしても、こうしてみんなを不幸にする｢ゆとり教育｣ってなんなのだろう？これで｢幸せ｣になった人っているのだろうか?そもそも、何のための｢ゆとり｣なのか?もし機会があれば、この制度の導入を決めた｢大人たち｣に是非話を聞いてみたい(怒)。
｢はじめまして。私は今まさに「ゆとり教育」の真っ只中にいて、来年に大学受験をひかえています。高校一年生の頃には先生方が『この内容は中学で習ったものなんだがなぁ…』とよくおしゃっていました。『学力低下』だ『ゆとり教育見直し』だと言われている中で、私達の抜け落ちてしまった時間はどうすればいいのか、ニュースなどでこの話題が取り上げられるたびに思います。
これから見直すのはいいことだが、ある意味失敗作である私達はどうすればいいのか、と不安に思うこともあります。
この先社会の目に私達がどう映るのか考えると、気が重いです…。｣
これを読んで、しばらく言葉がなかった・・。｢まさかこんな反応があるとは・・。｣ まさに予想外だった。このコメントを読んでしばらく考えた。先の記事は、僕達｢おじさん世代｣からみた｢ゆとり世代」についてのものだった。あの記事では最後に、
｢ゆとり教育｣世代がもうすぐ社会に出てくる。そして彼らが社会の中心的存在になった時、良くも悪くも｢ゆとり教育｣の｢本当の成果｣が出る。その時日本はどうなってしまうのかを考えると、正直怖いな・・。
と、結んだ。｢怖い｣と思ったのは偽らざる僕の本音だ。しかし、このコメントを読んで、本当に｢怖い｣と思っているのは、何を隠そう、｢ゆとり世代｣の今を生きている子供達なんだと思い知らされた・・。正直そこまでは考えてなかった。今となっては、｢ゆとり世代｣の子供達に対して失礼なことを書いてしまったと反省している・・。ただ、それと同時に安堵もした。だって彼らは自分自身のことをよくわかっているからだ。こういう人たちは多かれ少なかれ、｢私たちはこれでいいのだろうか?｣という｢危機感｣を持っているということだ。そういう人たちは恐らく社会に出てもなんら問題ないと思う。そういう気持ちを持っている限り、彼らを理解やサポートをしてくれる｢すばらしい大人たち｣が必ず現れるとおもう。もちろん、自分に足りないものを自覚した上で、｢自分を磨く努力｣を忘れないという前提の下であるが・・。
ただ、問題なのはそういう｢危機感｣を持っていない子供達である。そういう子たちが社会に出てきたら、やっぱり｢怖い｣と思う。
今回、この記事を書く際に、｢ゆとり教育｣について調べてみた。そこで驚いたことが・・。実は｢ゆとり教育｣と呼ばれるものは30年前から始まっていたということだった。この教育の象徴とされる｢週５日制｣こそ平成に入ってから実施されたものだが、学習指導要領の改正自体は昭和５２年から段階的に行われていたのだ(実施は５５年度から)。てことは、一応僕も｢ゆとり世代｣ということになる!?なあんだ、偉そうなこと書けないや(苦笑)・・。
それはさておき、本格的に｢ゆとり教育｣が施行されたのは平成４年からなのだ。小学１．２年の｢理科｣｢社会｣が廃止されたというのも驚きだ!そして、この教育の｢目玉｣になっているのが｢総合学習｣である、と書いてもよくわからない・・。調べてみると、｢児童、生徒が自発的に横断的・総合的な課題学習を行う時間｣だそうだ。そういえば、土曜日に学校で工作とかしているのを見たことがあるのだが、あれがそうなのだろうか？誰かこれをご覧の専門家の方がいらっしゃったら意見を仰ぎたい。
確かに僕ら｢詰め込み世代｣では、今考えると、実社会では役に立たないことに時間を割いていたという記憶がある。僕がこの話題になると思いうかべる｢無駄なもの｣とは、ずばり｢英語｣だ！と、ちょっと待った!早とちりしないで欲しい。僕がここで糾弾したいのは、英語は英語でも｢受験英語｣といわれるものだ。｢語学｣とは本来、｢生きた言葉｣を学ぶものだと思うのだが、この｢受験英語｣では、｢生きた言葉｣を学ぶ機会はほとんどない。まず｢文法｣ありき、｢イディオム｣ありき、｢文型｣ありきの｢語学｣では、何年やったって話せるようになるわけがないし、好きになるわけもないのだ。確かに｢文法｣など、不要だというつもりはないが、学習方法が間違っていると思う。僕らが日本語を覚えたときのことを考えれば、｢受験英語｣ほど無駄なものはないというのは言わずもがなだろう。それ以前に、そういうものが幅を利かせる日本の教育制度が間違っているのだろうなと思う。
それで思ったことは、確かにこの世代は｢失敗作｣と呼ばれるかもしれない。｢馬鹿な大人たち｣に踊らされた｢被害者｣かもしれない。ただ、それはあくまでも｢世代｣であって、｢個人｣が｢失敗作｣や｢被害者｣で終わるか、それとも｢立派な社会人｣｢立派な大人｣になるかはこれからのその人の生き方次第だと思う。東大卒でも社会では使えないと後ろ指を差される｢頭でっかち｣もたくさんいれば、中卒、高卒でも、仕事ができて、尊敬される人もまたたくさんいる。一度社会に出てしまえば、学歴なんて関係ないのだ。その人自身が自分を磨くことを忘れなければ、何も心配することはないと思う。確かにはじめのうちは｢ゆとり世代｣ということで風当たりは強いかもしれないが、周りの人はその人が努力していれば、その姿を見ているはず。そして必ず理解者が現れるはずだから、前向きにがんばって欲しいと思う。考えようによっては、そこでがんばれば、｢普通の世代｣の人間より目立つのではないだろうか。｢ピンチは最大のチャンス｣と思ってがんばって欲しいと思う。それにしても、こうしてみんなを不幸にする｢ゆとり教育｣ってなんなのだろう？これで｢幸せ｣になった人っているのだろうか?そもそも、何のための｢ゆとり｣なのか?もし機会があれば、この制度の導入を決めた｢大人たち｣に是非話を聞いてみたい(怒)。
| fulietigers | コラム | 23:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
