｢六甲颪｣に"Wings of Freedom."

2007.02.03 Saturday

僕らも｢日本代表｣

先日の芸能ニュースで、トミーズ健が番組の企画で行った中国の海南島で、ロケ中にお尻を出して、中国当局に厳重注意され、始末書を書いて帰国したと報道していた・・。それを知って、｢ああ、また日本人が誤解されるなあ・・。｣と思った。海南島といえば、僕が先月行ったところだ。リゾートアイランドで、とてもいいところだった。しかし宣伝不足のせいか、日本人はほとんどいなかった。そんなところによく彼らは行ったなあと思った。彼らは現地コーディネーターの許可を得てやったという話だったが、｢ちょっと甘いなあ｣と思った。街中ならそれでよかったのかもしれないが、彼らがそれをやったのが有名な寺の前だったという。宗教観が確立されていない日本人にとっては大したことないと思っていることでも、地元の熱心な信者にしてみればとんでもないことだってあるのだ。そこまではコーディネーターも読みきれなかったのではないか・・。結局、番組はお蔵入りになったそうな・・。
　今回の一件で思い出したのは、僕が正月に上海に行ったとき、さんざん客引きに付きまとわれていやな思いをしたことだ。確かに彼らは｢ろくでなし｣だと思うが、よくよく考えてみれば、彼らがあれだけしつこく誘うということは、彼らの誘いに乗る人間がいるということだ。需要があるから供給があるのだ。何年か前に、日本の会社が社員旅行で中国に行ったときに集団買春をし、えらいひんしゅくを買ったという話を思い出した。あの話もそのだいぶ後になって発覚したのだが、その時にも思ったことは、日本人はいろんな意味でカモにされているということだ。｢旅の恥はかき捨て｣なんて言葉もあるが、それは国内だけにして欲しいと思う。日本じゃ笑い話で済むことでも、極端な話、外交問題に発展することだってあるのだ。あくまでも｢よその国｣に行くのであって、自分達は｢訪問者｣だということを忘れてはいけない。たまに外国の街を我が物顔で傍若無人にふるまっている日本人を見るのだが、同じ日本人として恥ずかしい思いをしたことが結構あるのだ。せっかくの海外旅行なのだから、羽根を伸ばすのは大いに結構だと思うが、ハメを外してはいけないと思う。自由さの中にも謙虚さを持って旅を楽しんでもらいたい。
　ひとつ思い出したことがある。それは２００２年の日韓Ｗ杯で韓国に行ったときのこと、街のいたるところに一枚のポスターが貼ってあった。そのポスターでは、一般市民が韓国代表よろしく、左胸に右手を当て、空を見上げている。その上に書いてあった言葉が、｢私たちも韓国代表です。｣だった。海外からいろんな人が来るから恥ずかしくないように振る舞いましょうということだった。いかにも韓国らしいなと思った。日本ではありえないだろう。それを思い出して考えたことは、「私たちも日本代表です!｣ということだ。海外に行った時は心の片隅にでもそういう意識を持って欲しい。そうすれば、地元の人から馬鹿にされるようなことも少なくなるだろうし、変なトラブルに巻き込まれることもないはずだ。節度を持って旅をしよう。そうそればきっと楽しい旅になるはずだから・・。