｢六甲颪｣に"Wings of Freedom."

2007.01.27 Saturday

｢金しかいらない｣

まずはこの話題から。星野ＳＤが北京五輪の野球代表監督になった。長嶋茂雄、王貞治に続く、３人目の｢プロの｣日本代表監督である。就任監督で星野氏は、｢私は野球でここまでこられた人間。だから今こそ野球に恩返しがしたい。｣と語っていた。そしてその後、｢金メダルしかいらない。｣と続けた。確かに、ソウルで正式種目になって以来、野球で金メダルを獲ったことは一度もない、公開競技だったロスで金を獲ったことはあったが・・。野球は言うまでもなく日本の｢国技｣である。それは異論のないところだろうし、メダルを獲るのも当然だと思っている。実際、野球でメダルを逃したことなど一度もなかった、｢あの時｣までは・・。｢あの時｣とは、２０００年のシドニー大会である。当時の日本代表はアマチュアの中にプロがいるという、｢中途半端｣な状態だった。今まではそれでもある程度の結果は出してきたが、この時は３位決定戦で、プロで固めてきた｢本気｣の韓国に敗れたのだ。それを見て思った。｢ここがターニングポイントだなあ・・。｣と。メダルを獲りにいくのであれば、全員プロで固めるべきだろうし、あくまでもアマチュアイズムにこだわるのであれば、全員アマチュアにすべきだろう、メダルはあきらめなければならないが・・。ＪＯＣの選択は前者だった。そして生まれたのが、いわずと知れた｢長嶋ジャパン｣である。そして臨んだアテネ大会、ご存知の通り、長嶋監督は病に倒れ、指揮を執ることは叶わず、チームもオーストラリアに２度完敗し、銅メダルに終わった・・。(あの時のウィリアムスのピッチングは凄かった!｢圧巻｣の一言だった。タイガースでもアレくらいやってくれればねえ・・。)そして、もしかしたらこれで最後になってしまうかもしれない野球で金メダルを獲るべく、｢星野ジャパン｣が誕生した。そして今回は野球界全体が全面的に協力するという、遅きに失した感はあるが・・。
　北京大会に出場するためには、とりあえずは冬に行われるアジア予選で１位にならなければならない。前回は｢余裕｣で勝ち上がったが、今回はそんなに甘くはない!何しろ開催地が台湾である。僕は去年１１月に台湾で行われた野球のインターコンチネンタル杯を見に行ったのだが、応援が凄かった!日本の場合、代表チームでは応援しないが、台湾は鳴り物をこれでもかと打ち鳴らし、選手をサポートする。あの応援を背に戦える台湾はまさにホームで勇気百倍だろうし、対戦相手にとって見れば完全アウェーの空気に飲み込まれるだろう。
それに、台湾も韓国も｢ドリームチーム｣を編成してくる。アジアシリーズやＷＢＣなど、国際試合を見ていて思うことは、選手層や球界全体のレベルでは日本はまだまだアジアＮＯ.1だが、相手がトップレベルの選手で固められたら、レベルの差はほとんど感じられない。｢足元をすくわれて｣も、何の不思議もないのだ。実際ＷＢＣでは韓国にやられた・・。何が書きたいかというと、恐れる必要もないが、悪い意味で優越感を持ってはいけないということだ。そんなものを持ったら間違いなくやられるだろう。国際舞台というのはそういう場所だということを、野球に限らず、サッカーや他のスポーツで嫌と言うほど思い知らされているのだから。とにかくＷＢＣのときのように、目の前の１試合１試合を｢謙虚に｣戦って欲しい。そうすれば結果はおのずとついてくるはずだから・・。｢決戦｣までにはまだ１０ヶ月以上あるが、今季のペナントレースは大事だろう。今季活躍した選手が当然｢星野ジャパン｣に選ばれるのだから、今年のプロ野球は例年より熱いものになるかもしれないし、是非ともそうなって欲しいものだ。そして１２月、｢星野ジャパン｣が勝ち名乗りを上げるのを楽しみに待ちたい。
それにしても誰が選ばれるんだろう?｢ほぼタイガース｣になったりして・・(笑)。