イムジン河
僕の好きな映画に｢パッチギ!!｣という作品がある。ご覧になった方もいるかもしれないが、在日朝鮮人と日本人の青春物語で、その強烈でありながら、あくまでも｢ピュア｣な彼らを見ていて涙した・・。その映画の第2弾、｢パッチギ!LOVE&PEACE｣が5/19に公開される。今度はどんな青春模様が描かれるのか、非常に楽しみだ。その映画で流れているのが｢イムジン河｣という曲だ。昔の曲で、しかも長い間｢封印｣されていた曲なので、知る人ぞ知る曲なのだ。
｢イムジン河｣は、朝鮮民主主義人民共和国の曲。高宗漢 （コ・ジョンハン） 作曲、朴世泳 （パク・セヨン） 作詞。原題は『臨津江』（リムジン江）。南北朝鮮の軍事境界線を流れる川であることから、南北分断の悲劇を象徴した歌になっている。歌詞はこういうものだ。ここではいくつかある日本語詞の中でも一番有名な｢ザ・フォーククルセダース｣のものを紹介しよう。(訳詞 松山猛)
イムジン河水きよく とうとうとながる
みずどり自由に むらがりとびかうよ
我が祖国南の地 おもいははるか
イムジン河 水きよく とうとうとながる
北の大地から南の空へ
飛びゆく鳥よ 自由の使者よ
誰が祖国を二つに分けてしまったの
誰が祖国を分けてしまったの
イムジン河 空遠く 虹よかかっておくれ
河よ 思いを伝えておくれ
ふるさとをいつまでも忘れはしない
イムジン河水きよく とうとうとながる
｢北｣の人間が｢南｣への望郷を歌ったこの歌だが、突然発売中止になる。
この曲はもともと朝鮮民主主義人民共和国では有名な曲で、松山やメンバーらの考えていたような民謡ではなく、高宗漢の作曲、朴世泳の作詞によるものであった。オリジナルでは主人公は、臨津江を渡って南に飛んでゆく鳥を見ながら、一番では臨津江の流れに対し、なぜ南の故郷へ帰れないのかを嘆き、二番では臨津江の流れに対し、荒れ果てた「南」の地へ花の咲く「北」の様子を伝えてほしいと思いを託す内容である。松山の歌詞では、北の幸せさに対し南を哀れむもともとの二番の歌詞は、分断に対する疑問を訴える歌詞に変わっており、まったく違う物となっている。松山の歌詞には、オリジナルにはない三番がある。
東芝音楽工業に対し朝鮮総連は、これが朝鮮民主主義人民共和国の歌であることと作詞作曲者名を明記すること、原詩に忠実に訳すことを求めていた。後者に関しては、洋楽の日本語訳詞でも原詩と完全に一致する訳で無い物も多かったためあまり問題ではなかったものの、レコード会社は国交のない朝鮮民主主義人民共和国の名を出すことを躊躇し、大韓民国も朝鮮民主主義人民共和国の曲が日本国内でヒットすることを望まなかったためレコード会社に圧力をかけ、結果発売自粛となったようである。(wikipedia)
つまり、｢政治的配慮｣というものですな。｢触らぬ神にたたりなし｣今以上に北朝鮮は日本にとって｢はるかに遠い国｣だったので、仕方が無いと言ってしまえばそれまでか。そして｢イムジン河｣は、歴史の闇に葬り去られたのだった・・。ちなみに、発売自粛となったこの曲の代わりにザ・フォーク・クルセダーズが2枚目のシングルとして発売された曲が『悲しくてやりきれない』であり、｢イムジン河｣が発売中止になったことに対しての｢抗議｣だったという説もある。
僕は去年、板門店(パンムンジョム)に行ったことがある。今まで経験したことのない緊張感の中、そこに北朝鮮は｢手の届く距離｣にあった。そこから少し離れたところに展望台があり、そこからは肉眼ではっきり北朝鮮が見え、その手前を流れる川が｢イムジン河｣だった。そんな光景を見ながら思わず｢イムジン河｣を口ずさんだ・・。
この河から｢南北分断の象徴｣というキャッチフレーズが外れ、鳥や動物だけでなく、人が自由に往来できる日は来るのだろうか・・。｢イムジン河｣を聞きながらそんなことを考えていた・・。
｢イムジン河｣は、朝鮮民主主義人民共和国の曲。高宗漢 （コ・ジョンハン） 作曲、朴世泳 （パク・セヨン） 作詞。原題は『臨津江』（リムジン江）。南北朝鮮の軍事境界線を流れる川であることから、南北分断の悲劇を象徴した歌になっている。歌詞はこういうものだ。ここではいくつかある日本語詞の中でも一番有名な｢ザ・フォーククルセダース｣のものを紹介しよう。(訳詞 松山猛)
イムジン河水きよく とうとうとながる
みずどり自由に むらがりとびかうよ
我が祖国南の地 おもいははるか
イムジン河 水きよく とうとうとながる
北の大地から南の空へ
飛びゆく鳥よ 自由の使者よ
誰が祖国を二つに分けてしまったの
誰が祖国を分けてしまったの
イムジン河 空遠く 虹よかかっておくれ
河よ 思いを伝えておくれ
ふるさとをいつまでも忘れはしない
イムジン河水きよく とうとうとながる
｢北｣の人間が｢南｣への望郷を歌ったこの歌だが、突然発売中止になる。
この曲はもともと朝鮮民主主義人民共和国では有名な曲で、松山やメンバーらの考えていたような民謡ではなく、高宗漢の作曲、朴世泳の作詞によるものであった。オリジナルでは主人公は、臨津江を渡って南に飛んでゆく鳥を見ながら、一番では臨津江の流れに対し、なぜ南の故郷へ帰れないのかを嘆き、二番では臨津江の流れに対し、荒れ果てた「南」の地へ花の咲く「北」の様子を伝えてほしいと思いを託す内容である。松山の歌詞では、北の幸せさに対し南を哀れむもともとの二番の歌詞は、分断に対する疑問を訴える歌詞に変わっており、まったく違う物となっている。松山の歌詞には、オリジナルにはない三番がある。
東芝音楽工業に対し朝鮮総連は、これが朝鮮民主主義人民共和国の歌であることと作詞作曲者名を明記すること、原詩に忠実に訳すことを求めていた。後者に関しては、洋楽の日本語訳詞でも原詩と完全に一致する訳で無い物も多かったためあまり問題ではなかったものの、レコード会社は国交のない朝鮮民主主義人民共和国の名を出すことを躊躇し、大韓民国も朝鮮民主主義人民共和国の曲が日本国内でヒットすることを望まなかったためレコード会社に圧力をかけ、結果発売自粛となったようである。(wikipedia)
つまり、｢政治的配慮｣というものですな。｢触らぬ神にたたりなし｣今以上に北朝鮮は日本にとって｢はるかに遠い国｣だったので、仕方が無いと言ってしまえばそれまでか。そして｢イムジン河｣は、歴史の闇に葬り去られたのだった・・。ちなみに、発売自粛となったこの曲の代わりにザ・フォーク・クルセダーズが2枚目のシングルとして発売された曲が『悲しくてやりきれない』であり、｢イムジン河｣が発売中止になったことに対しての｢抗議｣だったという説もある。
僕は去年、板門店(パンムンジョム)に行ったことがある。今まで経験したことのない緊張感の中、そこに北朝鮮は｢手の届く距離｣にあった。そこから少し離れたところに展望台があり、そこからは肉眼ではっきり北朝鮮が見え、その手前を流れる川が｢イムジン河｣だった。そんな光景を見ながら思わず｢イムジン河｣を口ずさんだ・・。
この河から｢南北分断の象徴｣というキャッチフレーズが外れ、鳥や動物だけでなく、人が自由に往来できる日は来るのだろうか・・。｢イムジン河｣を聞きながらそんなことを考えていた・・。
| fulietigers | コラム | 23:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
