あなたを忘れない
昨日公開された映画｢あなたを忘れない｣を見た。これは7年前、新大久保駅で線路に落ちた酔っ払いを助けようとして、日本人の関根史郎さんとともに犠牲になった、李秀賢(イ・スヒョン)さんの半生を描いたものだ。僕もこのニュースを聞いたときはものすごくショックを受けた。日本人として感謝すると同時に、申し訳ない気持ちでいっぱいになったのを覚えている。それに、もし自分が韓国にいて、韓国人が線路に落ちたら、自分は身を投げ出しその人を助けることができるだろうか考えた。答えは｢NO｣だった。僕にはとてもそんな勇気はない。だから、僕はそんなスヒョンさんがなぜそんな行動を起こせたのか知りたかった。この映画を見ればその答えがわかると思い、勇んで見に行った・・が、残念ながらよくわからなかった。なぜかといえば、映画の中に織り込まれたエピソードはほとんどフィクションだったからだ。本当だったのは、学生時代にロックバンドをしていたことと、交通事故をめぐるトラブルで日本が嫌いになり、韓国に帰ってしまったこと、そして日本に戻ってきて新大久保駅で命を落としたこと・・。そう思ったら見ていてしらけてしまった。もしかしてこれから見ようとしている人がいたら、ストーリーをばらすようで申し訳ないけど、この映画には、日本人として納得がいかないことが多すぎる。そして一番納得いかなかったのは、一緒に亡くなった関根さんについて全く触れていないこと。映画の最後に｢この映画をイ・スヒョンさんと関根史郎さんに捧げる。｣という字幕が出るのだが、｢本当に関根さんに捧げる気があるのか?｣と首を傾げたくなる。スヒョンさんの両親はこの映画を見て喜んだらしいが、関根さんの遺族の心中察するに余りある。この映画の日本人の描き方といい、何か意図があるのかと勘ぐってしまう。そして見終わって思ったことは、｢この映画、韓国で上映したら日本人嫌いがまた増えるなあ・・。｣だった。確かに日本人は冷たいと思うが・・。ここまで書いて何なのだが、｢悲恋物語｣としてはよく出来ていると思うので、是非にとは言わないが、興味と時間があったら見に行ってみて欲しい・・。
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